東京都、千葉・埼玉・神奈川県の1都3県に発出されている緊急事態宣言は、3月7日が期限となる。
対象地域の知事らが期限通りの解除に懐疑的な見方も示しているなか、国会では菅首相に対し、いつまでに判断を下すのかという質問もあった。各都県の現状や国の受け止めをまとめた。
下げ止まりの東京都 「もう1段ギアをあげないと」
緊急事態宣言は1月8日に発出され、2月28日には大阪や福岡など6府県で解除されたが、東京や千葉・埼玉・神奈川ではいまだに続いている。
東京都では宣言前の1月7日には2,520人の感染者が報告されたが、その後は減少傾向となり、3月2日の新規感染者は232人(速報値)だった。
しかし最近では、感染者数の下げ止まりが懸念されている。2月27、28日の感染者数が前の週の同じ曜日を上回ったことなどが理由だ。
東京都は新規感染者数の「7日間平均」が前週の7割以下となることを目標とし、実現出来れば3月上旬には1日あたりの都内の感染者が140人以下になるとしていた。
だが、共同通信によると、小池百合子都知事は2日、「もう1段(対策の)ギアを上げないと(目標には)間に合わないのではないか」として、緊急事態宣言の今週末での解除に懸念を示したという。
東京の感染者を上回った千葉も懐疑的
千葉県の森田健作知事も、7日での宣言解除に懐疑的だ。3月1日には千葉県内の感染者が127人となり、東京都の121人を上回った。
千葉日報によると、森田知事はこれを受けて期限通りの宣言解除について「非常に難しく、延長も千葉県においては頭に入れておかなければならない」と発言したという。
千葉の状況については、田村憲久厚労相も懸念を表明。
「感染者数の落ち方が鈍化というよりも、もう横ばいになっている状況。あわせて、東京も千葉も病床が確かにステージ4は切っているんですが、ギリギリのような状況」だとして、知事らの意見を踏まえて判断すべきとの考えを示したという。
神奈川・埼玉でも慎重姿勢
同じく宣言の対象地域となっている神奈川県と埼玉県でも、各知事は慎重姿勢だ。
東京新聞によると、神奈川県は、宣言の解除後も飲食店には引き続き時短営業を要請し、協力金を支払う方針だという。
黒岩祐治知事は「感染者の減り方が下げ止まっており、7日に解除できないかもしれない」と現状を不安視している。
また朝日新聞デジタルによると、埼玉県の大野元裕知事も宣言について「解除できるかどうかの確信にはまだ至っていない」と述べたという。
大野知事は慎重姿勢を貫く理由の1つに「もう一度、緊急事態宣言を出すのはなかなか難しい」ことを挙げた。
国としての菅首相の説明は?
国としてどのような対応をとるのか。菅首相は2日の衆議院予算委員会で、緊急事態宣言の解除について言及した。
立憲民主党の泉健太氏は「(緊急事態宣言を)解除か否かっていうのは、国民はやっぱり政府の方針を数日前には知らなきゃいけないと思うんです。今日、明日(3月2日、3日)ぐらいには(判断)されるつもりですか」と質問した。
菅首相はこれに対し、「宣言以降は約8割、新規感染者が下がっているということも事実だと思います。そういう状況の中で、ぎりぎりまで状況を見たいという思いもあることも事実です。ですから今、(具体的に)“何日”ということは、申し上げることは控えたいと思います」と回答し、明言を避けた。