中国の税関当局は3月1日から、害虫の検出を理由として台湾産パイナップルの輸入を禁止した。
これに対し台湾側は「非合理的」と反発。これまで輸出先の97%を占めていた中国大陸を補完する買い手として、SNSを通じて日本への購入キャンペーンを強めている。
■日本語のSNS投稿相次ぐ
台湾行政院・農業委員会などの発表によると、中国の税関当局は3月1日から、害虫が検出されたことを理由に台湾産パイナップルの輸入を停止した。
一方で台湾側は、2020年に大陸に輸出したパイナップルのうち、品質検査に合格したものは99.79%に上ったと指摘。蔡英文・総統も「オーストラリア産ワインに続き、台湾のパイナップルがターゲットになった」と批判した。
オーストラリアのワインをめぐっては、モリソン首相が新型コロナウイルスに関する中国への独立調査を求めたことをきっかけに両国の関係が悪化したあと、中国側が高額の関税をかけていた。
現地メディアによると台湾産パインのうち輸出に回されるのは1割あまり。一方で農業委員会の発表によると、台湾が2020年に輸出したパイナップル、4万5621トンのうち97%を中国大陸が占めていて、台湾は主要な輸出先との取引を停止せざるを得なくなる。
これを補完するために期待されるのが日本だ。日本への2020年の輸出量は2%に過ぎない(残りの1%は香港)が、台湾側はSNSを通じたキャンペーンを強めている。
蔡英文・総統はパイナップルケーキ(鳳梨酥)の画像をTwitterに投稿し、「#パイナップルケーキを食べたことありますよね?パイナップルケーキといっても、台湾にはいろいろな種類があります。皆さんが好きなパイナップルケーキを教えてください!」と日本語で呼びかけた。
また、台湾北西部に位置する桃園市の鄭文燦(てい・ぶんさん)市長も日本語を使い、Twitterで「台湾の農民が苦労して育てた美味しくジューシーなパイナップルは、台湾のみならず、日本の方にも愛されています。 まだ召し上がったことのない方は、ぜひ台湾産のパイナップルをお試しください」とした。
このツイートは3万回以上リツイートされ、鄭市長は「皆さんがこんなにも台湾のパイナップルを応援してくれていることに感動しています」と再び投稿した。
また、日本における台湾との窓口機関である「台湾駐日経済文化代表処」も「#吃爆台湾鳳梨challenge(台湾パイナップル爆食チャレンジ)」というハッシュタグとともに「(台湾と日本にいる…関係者各位…聞こえますか…日本全国が…台湾パイナップルを待っています…今こそ…台湾流美味しいパイナップルの食べ方を…ツイートするのです…みんな…台湾パイナップルが店頭に並ぶのを…待っているのです…)」とまるでテレパシーのように呼びかけた。