東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は2月25日、3月末に開始予定している聖火リレーの新型コロナ対策などを公表した。
主な感染症対策として、ネットのライブ中継配信や、著名人ランナーが公道以外を走行する案などを挙げている。過度な密集が発生した場合は、リレーを中断するという。
リレーの実施期間中、緊急事態宣言や不要不急の外出自粛要請が出ている都道府県は、公道でのリレーを見合わせる。代わりに、会場で無観客点火セレモニーのみ実施。
リレー実施日ごとに都道府県をブロック分けした上で、1カ月前をめどに判断する方針を示した。
聖火リレーは、福島県で3月25日にスタートし、7月23日の開会式まで各都道府県を巡る予定。
組織委は会見で「沿道観覧の自粛をお願いするスタンスは取っていない」と説明している。
感染症対策は?
・ネットのライブ中継で視聴可能
・著名人ランナーは、密集対策ができる場所で走行
・沿道・会場観覧におけるマスクの着用、大声ではなく拍手などで応援
・セレモニー会場の事前予約
・過度な密集が発生した場合は、リレーを中断
著名人ランナーについては「セレモニー会場や競技場、敷地内など、公道以外の場所を走るのを検討している」と説明している。
沿道観覧する場合の注意点
・居住地の近くでの観覧のお願い
・居住地のある都道府県以外での観覧自粛の呼びかけ
・マスク着用、大声を出さず、拍手や配布グッズなどを活用した応援
・観覧時は前後左右の方と適切な距離を取る
組織委は会見で「沿道観覧の自粛をお願いするスタンスは取っていない」と説明。「密回避ができるなら沿道で応援してほしい」と述べた上で、「コロナ対策が最優先」と対策徹底に理解を求めた。
聖火ランナーの感染予防
実施2週間前から当日までの間は、会食や密集する場所への外出を避けてもらい、体調管理チェックシートを記入する。
当日は、検温、消毒、マスクの着用(走行時は、一定の距離を確保した上で着用しないことは可能)をする。
運営スタッフの感染予防
組織委によると、聖火リレーに伴う全国を回る運営スタッフは4、500人程度。
業務に従事する2週間前からチェックシートと行動記録を作成し、スタッフ同士の同じ席での食事は極力控えるという。
聖火リレールートの公表スケジュール
聖火リレールートの公表は、当初の2月中旬から3月2日に変更。
組織委の公式サイト上に「詳細ルート地図情報」「出発地・到着地」「出発予定時間・到着予定時間」「特殊な走行手段」などを公開する。
ランナーについては、各都道府県実行委員会が2月26日以降から、氏名や走行する日にち・市区町村を順次公開する見通し。
沿道での密集を避けるため、各ランナーの具体的な走行場所は、スタートの30分前まで本人やメディアによる公表は控えるという。
3月28日スタート予定の栃木県は、緊急事態宣言は解除されたが、不要不急の外出自粛の要請中。走行日の2週間前までに、どのような形で実施するのかを判断するという。
聖火リレーをめぐっては、島根県の丸山達也知事が、県内での聖火リレーを中止する考えを示している。この点について組織委は「ブロックごとにどう開催するか、都道府県の実行委員会と話した上で公表する」と述べるに留めた。