総務省の幹部らが、菅義偉首相の長男が勤める東北新社による接待を受けていた問題。
総務省は2月22日、衆院予算委員会の理事会で調査結果を報告。内閣広報官の山田真貴子氏が総務審議官だった2019年に接待を受けていたと共同通信などが報じた。
山田真貴子氏とはどんな人なのか。これまでの経歴をまとめた。
菅首相の記者会見時、“進行役”も
内閣官房の公式サイトによると、山田氏は早稲田大学法学部を卒業後、郵政省(現総務省)に採用された。
2013年からは安倍内閣総理大臣の秘書官、総務省大臣官房長、総務省総務審議官を歴任し、2020年7月に退職した。
退職後まもなく総務省顧問に就任したが、2020年9月に辞職し、同月に菅内閣が発足すると内閣広報官となった。女性が広報官に就任するのは初めて。
山田氏は現在、菅首相が記者会見を行う際に司会進行役を務めている。
山田氏の接待時の飲食単価、7万4203円も問題視
総務省は22日に開かれた衆院予算委員会の理事会で、接待の飲食単価についても報告した。
朝日新聞デジタルによると、山田氏が総務審議官だった2019年11月6日、東北新社から接待を受けた際の飲食単価は7万4203円だった。
総務省は「国家公務員倫理規程に違反する疑いがある会食は、12人、のべ38件」と報告しており、谷脇康彦総務審議官、吉田真人総務審議官、秋本芳徳前情報流通行政局長、湯本博信前官房審議官らが接待を受けていたという。
国家公務員が受ける接待、どこが問題なのか?
人事院の国家公務員審査会の公式サイトでは、国家公務員の倫理規程について以下のような説明がある。
国家公務員が、許認可等の相手方、補助金等の交付を受ける者など、国家公務員の職務と利害関係を有する者(利害関係者)から金銭・物品の贈与や接待を受けたりすることなどを禁止しているほか、割り勘の場合でも利害関係者と共にゴルフや旅行などを行うことを禁止しています。
山田氏が過去に受けた接待も、この倫理規程に違反する疑いがある。
内閣の広報官という立場で、菅内閣の記者会見で質問を希望する記者の指名にも関わることから、この問題に対し、ネット上では「広報官としてふさわしくないのではないか」「この問題が出た以上、司会役は難しいのでは」「きちんと説明するべき」などの意見や批判の声が上がっている。