女性蔑視発言を受けて、辞任表明した東京2020組織委員会の森喜朗会長。
その後任として、橋本聖子オリンピック・パラリンピック担当大臣が就任要請を受諾する意向であると報道各社が報じている。
きょう2月18日に開かれる理事会を経て正式決定する見通し。橋本氏が会長に就任する場合、大臣規範により、オリパラ担当大臣を退任することになる見込み。
後任となる橋本氏の人物像や経歴などを振り返る。
どんな人物なのか
橋本聖子氏は現在、自民党の参議院議員で、オリンピック・パラリンピック担当大臣を務めている。
もともとは、女子スピードスケート選手。公式サイトのプロフィールによると、1992年冬季アルベールビルオリンピックでは、1500メートルで銅メダルに輝いた。冬季では、日本人女性初のメダリストとなった。
夏季オリンピックは自転車競技の代表として、1988年ソウル、1992年バルセロナ両大会に出場。夏季と冬季合わせて、計7回オリンピックに出場した。
現役時代の1995年7月、参議院議員選挙で自由民主党の比例区代表で当選し、政治の道に進んだ。
この参院選で、自民党幹事長として橋本氏を擁立したのが森喜朗氏だったと、朝日新聞(2000年4月6日付朝刊)は報じている。
自由民主党女性局長などを経て、現在5期目。日本オリンピック委員会(JOC)の副会長も務めた。
2019年9月から、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣を務めている。
東京2020に関しては、政府の代表としてIOC、組織委員会、東京都との4者協議などに出席し、これまでの経緯や内情に詳しい人物でもある。
大臣規範では、公益法人の役員との兼職を禁じているため、会長に就任する場合は、オリパラ担当相を退任することになる。
過去にセクハラ疑惑報道「強制した事実ない」
橋本氏は、日本スケート連盟の会長だった際、男子フィギュアスケート高橋大輔選手に対するセクハラ疑惑を週刊文春に報じられた過去がある。
新会長選定の経緯は
新会長選定をめぐっては、辞任する森氏が自ら打診したとされる川淵三郎氏の就任案が、批判を浴びて白紙となった。
そのため組織委は、理事による候補者検討委員会を設置。非公開の会議で、新たな会長に求められる5つの資質を取りまとめ、候補者を選定していた。
名前が報じられたのは、オリンピアンで組織委スポーツディレクターの小谷実可子氏や、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長ら。報道各社が2月17日、橋本氏に一本化したと報じていた。
報道陣から、就任打診の有無などを問われた橋本氏は「プロセスにのっとって進められている。人事に関わることなので、私から申し上げることはない」などと述べていた。
候補者検討委員会が掲げた、新会長に求められる5つの資質は次の通り。
① オリンピック・パラリンピック、スポーツに対する深い造詣があること
② ジェンダー・イコーリティー、ダイバーシティ、インクルージョンなどオリンピック憲章や東京大会の理念を実現し、それを将来にレガシーとしてつなげていくことができる人
③ 国際的な活動の経験があり、国際的な知名度や国際感覚があること
④ 東京大会のこれまでの経緯や準備状況について理解していること
⑤ 組織運営能力や多様な関係者の調和を図る調整力を備えていること