2月13日夜、福島県と宮城県で震度6の揺れを観測する地震があった際、一部のスマートフォンで「リバーシティ漢江」などと、揺れのあった地名が正しく表示されないトラブルが起きた。
Twitterでは、原因として中国製スマホとの関連を指摘する投稿も多くあった。だが、メーカーや機種に関わらず表示される可能性があり、注意が必要だ。
■繁体中国語と認識?
地名が正しく表示されなかったことを報告するツイートによると、揺れのあった東北や関東の自治体名が不自然なものに変わっている。山形県の地名では 「リバーシティ漢江」「ヒル村」、茨城県は「アメリカ合衆国浦村」、埼玉県は「カス市」などだ。これでは揺れのあった地域が正確に把握できない。
ツイートをしたユーザーの1人によると、この文字列が表示されたのはGoogleが提供している「Google災害情報」。気象庁が発表する緊急地震速報とは異なるもので、気象警報や注意報のほか、津波や地震の情報が掲載されるプラットフォームだ。
緊急地震速報は正しく機能したが、そのあとにGoogleのブラウザ「Chrome」で災害情報を開いたところ、このような地名が表示されたという。
これらのツイートに寄せられたコメントでは中国製のスマホが原因ではないかとする推測も上がり、複数のまとめサイトも同じ趣旨のタイトルをつけた投稿をした。
しかし、この現象は中国メーカーのスマホだから起こるというものではない。
検証として、iPhone8でこの現象を再現してみた。
iPhoneからChromeを使い、別の地震に関するGoogle災害情報のページを開く。特に問題なく閲覧できたが、ページ上部には「ページを翻訳しますか?繁体中国語から日本語」という表示が出現した。
繁体中国語は台湾や香港などで使われる文字だ。あえて「翻訳」を選んでみると、それまで正常に表示されていた地名が「元気セント湿地市」など意味の通らないものに変わってしまった。
この現象は、Google Chromeが日本語の漢字の羅列を繁体中国語と自動認識し、本来不要な翻訳をしたことが原因の一つとなった可能性がある。
一方でGoogleは、ハフポスト日本版の取材に対し「端末の設定や使用しているアプリ等様々な設定によってコントロールされていることも考えられるため、一概にお答え出来ません」と回答している。
Google Chromeから「Google災害情報」を閲覧する際には、「翻訳」オプションを選択しなければ元の正しい地名が表示される。設定によっては翻訳機能をオフにすることもできる。