東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が、女性蔑視発言を受けて辞任し、後任に川淵三郎氏が就任する方向で調整と報じられている。
川淵三郎氏とは、どんな人物なのか。
1964年の東京五輪に出場、サッカー界の重鎮
川淵三郎氏は、Jリーグの初代チェアマン(理事長)で、現在は日本サッカー協会(JFA)の相談役を務める日本サッカー界の重鎮。
東京オリンピック選手村の村長で、オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の評議員も務めている。
1936年、大阪府に生まれた。年齢は84歳。
日本サッカー協会の公式サイトに掲載されたプロフィールによると、大阪府立三国丘高校でサッカーを始め、早稲田大学や古河電工サッカー部でプレーした。
早稲田大在学中の1958年にサッカー日本代表に選出され、1964年に開催された東京五輪では代表選手として出場。アルゼンチン戦では1ゴール1アシストで逆転勝利に貢献し、ベスト8進出を果たした。
1970年に現役引退し、その後はサッカー日本代表監督などを経て、プロサッカーリーグ「Jリーグ」の創設に尽力。1991年にJリーグの初代チェアマンに就任し、93年にJリーグが開幕した。
Jリーグの創設によってサッカーは地域スポーツとして定着し、日本のサッカー界の発展に貢献した。
バスケ界の新リーグ発足にも関わる
また、日本バスケットボールの新リーグ発足も牽引した。
日本の男子バスケは、長年にわたりNBL・bjリーグと2つのトップリーグに分裂し、FIBA(国際バスケットボール連盟)から国際資格の停止処分を受けるほどの状況に陥っていた。
川淵氏は2015年に日本バスケットボール協会会長に就任。2016年にはトップリーグが統一され、新たな「Bリーグ」発足を牽引した。
2016年には、著書「独裁力」を幻冬舎新書から発表している。
選手村の村長を務める 「最悪の場合は日本人だけの観客であってもいい」
大会の開催可否については、過去のインタビューなどでは、開催への強い意欲を示している。
世論調査では「中止すべき」と答える人が上回るなど厳しい声が相次いでいるが、時事通信社の取材(12月掲載)では、「いざ五輪がスタートしたら日本中が盛り上がる。そこは心配していない」と語っている。
また、「観客が一人もいない五輪を開催するなんて無意味だと思っているんだよね」とも言及しており、1月13日に投稿したツイートでは、「最悪の場合日本人のみ。無観客は開催の意味がない」と投稿していた。