東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言した問題。
野党の女性議員は2月9日、抗議の意を表すため白いジャケットや白いバラを身に着けて衆院本会議に参加した。
それに対し、前東京都知事の舛添要一氏は「失笑を禁じえない」と持論を述べた。議員やネットユーザーからは批判の声が多数あがっている。
「これでは政権はとれない」などと私見
舛添氏は2月9日夜にTwitterを更新。「森発言に抗議として野党女性国会議員が白い洋服で登院。失笑を禁じえない」と持論を展開した。
「国会は言論の府であって、パフォーマンスの府ではない」とし、「五輪の利権の構造などをきちんと調査して、森会長が辞任できない背景に議論で迫ったらどうか。白い服を着るだけなら国会議員でなくても出来る。これでは政権はとれない」と、その理由を説明した。
舛添氏は、森会長の発言について、「『女性蔑視』発言は批判に値しますが、五輪開催への大きな功績もまた忘れてはなりません」などと自身の見解を述べていた。
「性差別に寛容だったと言わざるを得ず」
舛添氏の投稿には、批判が相次いでいる。
立憲の塩村あやか参議院議員はTwitterで、「(これまで舛添都政を評価してきた私ですが)言わせてください」とした上で、「『五輪の利権構造問題』があるから、女性差別に抗議をしてはいけないというのですか」と抗議の意を示した。
塩村議員は2014年、東京都議会で、妊娠、出産、不妊に悩む女性への支援の必要性を訴えた際、男性の声で「自分が早く結婚すればいい」「産めないのか」などのヤジを飛ばされたことがあり、都議会のあり方が問題視された。
塩村議員は当時を振り返り、「貴方は私のセクハラやじの時、涙声で質問を継続した私を見ながら、知事席で笑っていました。結局性差別に寛容だったと言わざるを得ず、本当に残念です」と、舛添氏を批判した。 当時、舛添氏は東京都知事を務めていた。
舛添氏の投稿に対しては、ネット上でも多くの批判の声があがっている。
「メッセージを出すことを『パフォーマンス』と受け取るのか。抗議はパフォーマンスではない」
「野党の女性国会議員の服装を失笑することは、政界で女性差別が罷り通る環境の温存に加担すること」
「なぜ『白』なのか理解していないのではないか」
女性議員が着た「白」は、アメリカでは女性の政治参加を象徴する色として定着している。2019年には、トランプ前大統領の一般教書演説の際に女性下院議員らが白を着用。カマラ・ハリス副大統領も、2020年の大統領選挙の際に白のパンツスーツを着ていた。
9日の衆院予算委員会では、立憲の亀井亜紀子議員は白いスーツで質問に立ち、白は「女性の政治参画を示す色」とし、「昨晩から、有志の女性議員の間で、本会議に白を着て出ようとメッセージが伝わってきた」と語った。