「女性が多いと会議が長くなる」という、森喜朗・東京オリパラ大会組織委会長の差別発言。
森氏は逆ギレした記者会見の場で、発言の撤回を表明。IOC(国際オリンピック委員会)も「問題は終わった」と幕引きをはかる中、各国の大使館が「DontBeSilent (沈黙するのはやめよう)」というハッシュタグで男女平等への支持と連帯を表明するムーブメントが起きている。
確認できる最初の投稿は、2月5日午後1時のドイツ大使館のもの。
大使館職員と見られるマスク姿の男女が、左手を顔の横に掲げた写真とともに「#dontbesilent(沈黙するのはやめよう)」 「#genderequality(ジェンダー平等)」「#男女平等」の3つのメッセージをハッシュタグで投稿した。
午後5時には、フィンランド大使館。
オンライン会議で撮影したのだろうか、それぞれ別の場所から連帯を表明する人々の写真とともに、ドイツ大使館と同じ3つのハッシュタグを入れただけの写真を投稿した。
続けて、欧州連合代表部の公式アカウントも。
スウェーデン大使館も、メッセージはやはりハッシュタグ3つのみ。
アイルランド大使館とポルトガル大使館は、それぞれ欧州連合代表部の投稿を引用リツイートする形で、「駐日欧州連合代表部およびEU加盟各国の駐日大使館とともに、#DontBeSilent イニシアティブに賛同します」というメッセージとともに、右手を挙げる人物の絵文字を投稿した。
「GenderEquality(ジェンダー平等)」「男女平等」のハッシュタグも入っている。
国連広報センターは、世代間の平等を呼びかける国連女性機関(UN Women)の1月の投稿を引用して日本語に訳すかたちで、「沈黙を打ち破ろう誰かが一線を越えたら、声を上げよう」と投稿した。
さらには、こんな一文も付け加えている。
「家父長制への無言の迎合は、受け入れてはいけません」
どんな反応?
各国大使館の投稿には、森氏の名前や発言内容は書かれていないが、森氏の発言に対する抗議だと受け止める人が多い。
「ありがたい」「世界の反応に真摯に応えるべき」など好意的な反応が多いが、「自分の国を心配して」「発言は全文読めば女性蔑視ではない」などの声も一部で上がっている。
日本国内でも、森氏が組織委の女性たちを指して「わきまえておられる」と発言したことに抗議し、「わきまえない女」というハッシュタグや、森氏の処遇の検討や再発防止策を求める署名活動も広がっている。
【UPDATE 2021/2/9 15:00】
記事中の「UN Women」を誤って表記していたため、修正しました。