放送中のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が2月7日、ついに最終回を迎える。
同作は59作目となる大河で、明智光秀役を俳優の長谷川博己さんが演じる。1991年放送の「太平記」などで知られる池端俊策さんが手がけており、最終回は1582年に起きた「本能寺の変」が物語の中心になる。
天下統一を目指していた織田信長を家臣だった明智光秀が討つ、日本の歴史上の最大の謀反として語り継がれている「本能寺の変」。未だ多くの謎が残されているとされる歴史の1ページは、どのように描かれるのか。
そもそも、物語の「麒麟」ってどんな意味だった?
東京国立博物館の説明によると、そもそも麒麟とは、龍や鳳凰、獅子などと同じように想像上の動物。世の中が良い政治で治められているときにだけ姿を現わすと言われている。
今回の大河では、麒麟という存在を「王が仁のある政治を行う時に必ず現れるという聖なる獣」としている。
1467年に起きた「応仁の乱」の後の荒廃した世を立て直し、民を飢えや戦乱の苦しみから解放するのは誰か、そして麒麟はいつ来るのか。この2点が作品全体のテーマとなっている。
最終回だけ見てもまだ間に合う!あらすじ超まとめ
『麒麟がくる』は、全44話で構成されている。
まずは、第1話から17話までの「美濃編」。
光秀が「鉄砲」に興味を持ち、本木雅弘さん演じる美濃の斎藤道三に掛け合い、鉄砲がどういうものか探る旅に出る。旅の途中、尾張の海辺で光秀の前に奇妙な出で立ちで現れたのが染谷将大さん演じる織田信長で、これが最初の出会いだった。
18話からは「越前編」が続いた。
斎藤家の争いに巻き込まれ命からがら美濃を脱出した光秀は、隣国の越前へ。信長が少数の軍勢で駿河の今川義元(片岡愛之助)を奇襲して討ち取り、織田軍が大勝利を収めた「桶狭間の戦い」などが描かれた。その後は、室町将軍家も物語に大きく絡んでくる。
そしてようやく、28話からは最終回に繋がる話となる。
信長は残虐にも比叡山の焼き討ちを敢行。その後も実力のある大名に対して兵を挙げ一気に攻め滅ぼし、朝廷から武士として最も高い冠位を授けられるが、横暴ぶりについていけなくなった者たちは、徐々に信長のもとを離れていく。
そして、最終話。
さらに追い打ちをかけるように信長は光秀と縁の深い四国・長宗我部の征伐に相談なしに乗り出すと告げる。光秀は信長をいさめるが、信長は冷たく言い放つ。そしてついに、“ある命令”を光秀に突き付けるという展開になるという。
本能寺の変、今作ならではの「新しい形」
気になるのは、今作最大のハイライトとされる「本能寺の変」がどのように描かれるのか、という点だ。
大河の公式サイトには、このように解説がある。
「本能寺の変」については、たくさんの説がありますが、今回は『麒麟がくる』ならではの新しい形の「本能寺の変」だと思っています。
光秀はなぜ本能寺に向かったのか?その心情の変化が細かく描かれていると思うので、そこに感情移入して見てくださるとうれしいです。
“各武将”たち、最後の言葉
光秀役の長谷川さんは6日、NHK総合『土曜スタジオパーク』に出演し、本能寺の変を撮影した際のエピソードをこう語った。
「10分くらい長回しで撮影していた時に、信長との思い出が走馬灯のように浮かび上がってきて、いろんな感情が湧き上がってきた」
最終回の見どころを聞かれると、次のように話した。
「本能寺の変まで光秀が苦悩し、大きな決断をするまでの道のりが細かく描かれています。決断をして倒そうとする者、討たれる側の葛藤、それを見守る人々の姿、すべて怒涛のように進んで衝撃のクライマックスを迎えます。1年半やってくると、スタッフもキャストも作品自体も熟成度を増した集大成が最終回に残っていると思います」
信長役の染谷さんは6日、NHK大河ドラマの公式Twitterで「物語のクライマックスとしての興奮と、同時に切なさも感じていただける最終回です!」と結末についてコメントをつづった。
徳川家康役の風間俊介さんは、同じくNHK大河ドラマの公式Twitterで「この物語の着地点に動揺を隠せなかった。歴史から見ればほんの一瞬の出来事ですが、その一瞬は濃いのに淡く、強いのに儚(はかな)い。そして、閃光のように散っていった者たちに、きっと心奪われるはずです」とコメントした。
『麒麟がくる』は2020年6月、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で放送を一時休止し、同8月に再開。大河ドラマ史上初の「越年」で全44話を届けるとしていた。
最終話の放送は、15分拡大版。注目の新しい形の「本能寺の変」がどのようになるのか、物語の結末をしっかり見届けたい。
放送日時:2月7日(日) 最終回「本能寺の変」※15分拡大版
[総合]夜8時
[BSP] 午後5時45分
[BS4K]午前9時/夜8時 ※BSPはいつもより15分早い放送