東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と発言した問題について、2月4日の衆議院予算委員会でも質問が及んだ。立憲民主党の枝野幸男代表などが森会長の更迭を求めたが、「スポーツ分野においても女性の社会参画は極めて大事だと思っています」と述べるにとどめた。
「森さんの発言の詳細については承知しておりません」
問題の発言については、立憲民主党の枝野幸男代表が質問。
枝野氏は3日の森氏の発言について、「女性差別という言葉では足りないような発言がありました」と指摘。「国民の命と我が国の国際的な信用のために森会長にはやめていただく。その指導力を総理は発揮されるべきではありませんか」と述べ、森会長の更迭を訴えた。
菅氏は質問に対し、「森会長が発言した内容の詳細については承知しておりません」と答弁。
議場からどよめきが上がると、「詳細については承知していないということです」と弁明し、「スポーツ分野においても女性の社会参画は極めて大事だという風に思っております」と述べた。
枝野氏はつづけて、「詳細見ましょうよ。どうにも言い訳のならない発言で、世界に報道されているんです。本当に日本人として恥ずかしい。国益を損なっています」と追及。改めて森会長の進退について問いただした。
菅氏は、「森さんの発言の詳細については承知していません」と再度繰り返し、「ですから、スポーツ分野においても女性の社会参画は大事である、このことは揺るぎがないことだと思います」と述べ、対応に消極的な姿勢を示した。
「あってはならない発言」
その後、立憲民主党の菊田真紀子議員が再度森会長の問題発言について質問した。
菊田議員は、森会長の発言が多くの海外メディアで報道されていると指摘。森会長の3日の発言を読み上げ、菅首相に改めて見解を問うと、菅氏は「今の発言の中で、やはりこれはあってはならない発言だと思っています」と見解を述べた。
しかし、改めて森会長の進退について問われると、「オリンピックは多くの国民の皆さんの理解、そして歓迎の元でやられるべきことであると思います。そうした大会になるよう私共も全力で取り組んでいきたいと思います」と述べるにとどめた。
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森氏に対してはTwitterなどネット上で辞任を求める声が上がっている。本人は4日に発言を謝罪・撤回したものの、辞任は否定した。