ルーマニアにあるスキー場のゲレンデで、予期せぬ侵入者の映像がおさめられた。大きなヒグマが、ゲレンデを滑り降りるスキーヤーを熱心に追っている様子が映っているのだ。
この状況を撮影したうちのひとりはYouTubeに動画を公開し、ゲレンデを通るリフトに乗っていた人たちが口笛を吹いたり叫んだりしてヒグマの注意を引こうとしたと証言。しかしヒグマは引っ掛からず、そのままスキーヤーを追って走っていたという。
しかしそこで、追われていたスキーヤーは機転を利かせた。1時間前に同じクマを目撃していたという別のスキーヤーはabcNEWSに「(追われていた)彼はとてもクールな動きをした。クマから離れたい時にはとても安全な動きだ」と振り返る。「彼はバッグを下ろしたんだ。すると、クマはそのバッグに引き寄せられた」
すると、クマはスキーヤーを追いかけるのをやめ、食べ物を探すためか、バッグを取りに行ったという。
YouTubeに動画を投稿した男性は「スキーヤーは無事でした」と、追われていた人が九死に一生を得たことを報告している。
地元警察は通信社UPIに、現場に到着した際にはクマは森の中に逃げ込んでいたとしている。今後の人との遭遇を避けるため、クマは移動させられる可能性もあるという。
ヒグマと人間の遭遇増加、対応に議論も
ルーマニアにはおよそ6000頭のヒグマが生息しており、ヨーロッパで最も個体数が多い国の一つ。近年では人間との遭遇が増えており、命取りの結果になることも。
そのため、ルーマニア国内ではヒグマの扱い方について議論が巻き起こっている。ユーロニューズは、2016年から禁止されているトロフィーハンティングの復活を求める声がある一方、積極的でない管理方法を求める声もあると報じている。
この記事はハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。