冬の果物といえば、ビタミンCが豊富で風邪予防にもなる「みかん」が定番です。
みかんの名産地である和歌山県ではその皮の剥き方に他とは違うコツが有るようです。
ところで、普通の人はどうやってむいているのか、ウェザーニュースでは「みかんのむき方」についてアンケートを実施しました。
アンケートでは、全国で約60%の人が「裏の中心から放射状にむく」と回答しています。しかし県別でみると、「身ごと真っ二つに割る」は全体で9%しかいないのに、和歌山県は、約58%の人がそう回答しているのです。これはなぜでしょうか。
「有田むき」とは
実は和歌山県には、「有田(ありだ)むき(別名・和歌山むき)」と呼ばれるむき方があるのです。やり方は簡単。「みかんを皮ごと4分割する」だけです。
JAありだによると、和歌山県の中でも特に「有田みかん」で有名な有田地域(有田市、有田川町、湯浅町、広川町)では、ほとんどの人が有田むきをするといいます。
「以前電話アンケートを実施した時は、有田地域ではほぼ100%の人がこのむき方をしていました。有田地域を中心に、距離が離れていくにしたがってその割合は減っていきます。三重県に近いエリアまで行くとほとんど0%に近くなっています」(JAありだ)
有田むきの起源は?
有田ではなぜこのむき方をするようになったのでしょうか。一説には、軍手で作業するみかん農家が、汚れた軍手でみかんを直接触らなくても味見ができるようにと考案されたのではないかというのです。
確かに有田むきなら、軍手をしていても食べられ、皮が細かくバラバラになることもないので、ゴミ捨てが楽というメリットもあります。しかし、本当の起源は分からないと、関係者はいいます。
「この地域ではずっと昔からみかんは皮ごと4分割していました。何か特別な理由があってのことではなく、むしろそういうものだと思っていたのです。そのため、詳しい起源などはわかっていません」(JAありだ)
有田むきがやりやすい品種は?
有田むきは初めに皮ごと真っ二つに割ってしまうのが特徴ですが、むきやすい品種はあるのでしょうか。
「皮が分厚い品種の方が、身と皮が分離しやすいのでやりやすいと思いますが、基本的にどの品種でも全く問題ないと思います」(JAありだ)
みかんは10月頃から2月頃までが旬の果物です。ぜひ一度有田むきを試してみてください。
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