「誰かに年齢のことで嫌な思いをさせられたら、『さようなら』と言えばいい」
69歳でアメリカの人気コスメブランド「カバーガール」の広告に起用されたモデルのメイ・マスクさん。72歳の現在も現役でモデルを続けており、前向きな姿勢が多くの人を勇気付けている。1月に出演した情報番組でも、年齢について自身の経験を語った。
「どうして歳を取ることが怖いの?」
マスクさんは電気自動車メーカー「テスラ」と宇宙開発企業「スペースX」のCEOを務めるイーロン・マスク氏ら3人の母で、栄養士でもある。
インスタグラムやツイッターの投稿では「#ItsGreatToBe72(72歳って最高)」と添えることが多く、年齢を重ねることに対するポジティブな発信を続けている。
マスクさんは、アメリカの情報番組『CBS This Morning』に出演。子育ての話題のあと、キャスターからなぜ年齢を楽しむことができているのか問われた。
マスクさんの母親は、90歳を超えてもしわや歳を取ることについて話すことはなく、いつも前向きで勉強熱心だったと振り返り、「自分にとって良い手本になった」と語る。そして自身が年齢について感じていることをこう話した。
「60代になった時、周りの人が『歳を取る』ということについて、そしてその恐怖について話し始めました。でも私は言っていたんです。『どうして歳を取ることが怖いの?』って」
「もし誰かに年齢のことで嫌な思いをさせられたら、『さようなら』と言えばいいんです。あなたの人生にその人は必要ありません」
一方で、「50代になると女性は仕事を失うことを恐れるけど、 男性は(そのくらいの年齢で)CEOや大統領になります。これって何?変えていかなくてはならない」と、社会に疑問も投げかけていた。
DVで離婚、仕事に恵まれない時期も
マスクさんはこれまでも、自身の年齢について積極的に触れてきた。
ニューヨークタイムズ紙のインタビューでも、年齢を重ねることの素晴らしさを以下のように語っている。
「年齢を重ねるごとに、自分に自信を持てるようになります。困難な出来事に直面しても、以前より簡単に対応できるようになります。年齢を隠したり、50歳だとごまかしたりはしません。70歳になるのを楽しみにしています」
前向きなメッセージを送り続けるマスクさんだが、DVによる離婚や仕事に恵まれない時期も経験している。
2020年に発売された自伝『72歳、今日が人生最高の日』の公式サイトによると、マスクさんは1948年にカナダで生まれ、15歳からモデルを始めた。大学卒業後結婚してイーロン氏らを出産するも、31歳で夫のDVから逃れて離婚、シングルマザーとなり子育てをしてきた。
40代で栄養学の博士号を取得、モデルも続けていたが、59歳のとき半年間仕事の依頼がなかったことから、髪を染めることをやめてシルバーヘアで過ごすように。62歳で「ニューヨーク・マガジン」の表紙を飾り、69歳で「カバーガール」の広告に起用されるなど、大きな活躍が続いている。
このように壁にぶつかっても諦めず前に進み続ける姿も、人々の称賛を集めているようだ。