東京都が1月27日に発表した新型コロナウイルス感染状況をめぐって、「陽性率50」%というワードがTwitterでトレンド入りした。
結論から言うと、「陽性率50%」という憶測は完全な誤りだ。
なぜこのような誤解が起きたのか。
東京都の発表では、27日午後3時時点の速報値として、新たに973人の新型コロナウイルス感染を確認したと報告。その中の「検査数」の欄に、1月24日に実施された件数として「1894」とある。
これらの数字について、「1894件の検査数に対して感染確認が973人だった」と受け取ってしまった人たちが、「陽性率約50%」と誤解したようだ。
ハフポスト日本版は、それぞれの数字について東京都福祉保健局に確認した。
担当者の説明によると次の通りだ。
その日の速報値には、およそ3日以内に検査を受け、感染が確認された人数(総数)が記載されている。
今回で言うと、発表された973人には、1月24日だけでなく、25日や26日に検査を受け、感染が確認された人たちも含まれているという。
一方、検査数は、3日前に実施した件数のみが記載されている。
まとめると、973人に対する全体の検査数は、1894件よりもはるかに多いことになり、陽性率も低い水準になるとみられる。
なぜややこしい記載になっているのか。
PCR検査の結果が出るタイミングにばらつきがあるため、その日の速報値では、新規感染者数に対する全体の検査数を出すことができないのだという。
そのため、発表文でも「なお、この検査結果と本日の報告数が一致するものではない」という注意書きが添えられている。
東京都福祉保健局によると、検査結果が公表できるまでに概ね3日程度かかるため、速報値には3日前の検査数を参考として載せている。ここ最近は検査体制も向上し、翌日に結果が集計できることもあるという。
また、24日の検査数が少なかった理由について、担当者は次のように説明する。
「1月24日は日曜日のため、検査数は少なくなる傾向があります。月曜や昨日はおおよそ数千〜1万件規模の検査が実施され、すでに結果が判明したものもあります。その数が973に含まれています」
東京都は、新型コロナウイルス対策サイトで陽性率を発表している。
最新1月26日の数値は8.4%。
曜日によるばらつきで推移・傾向が見えにくくなるのを避けるため、過去7日間のPCR検査数と感染確認数から平均値を割り出し、各日の陽性率を算出しているという。