同編集部は、経緯を説明した上で「雑誌という公共性を持ったメディアが個人に対して攻撃を加える行為を、断じて許せない行為だと考えます。被害者の方に深く謝罪を申し上げます」とした。
何が起きていたのか?
「映画秘宝」の公式Twitterによる説明によると、事の発端は岩田氏が1月5日に放送されたTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の韓国映画の特集で、今回被害を受けた女性のツイートに「女性ゲストが不在である件、及びホモソーシャル的な映画秘宝文化についての苦言が記されていた」ことだった。
岩田氏は17日、この女性の苦言に対し、公式Twitterのアカウントで「恫喝的発言」を含むダイレクトメール(DM)を送付。その理由は「過労のなかで一方的に頭に血がのぼってしまい、憤りを感じてしまったため」と説明した。
「映画秘宝」の公式Twitterは25日、同件について「すべては公式アカウントの管理・運営にあたっていた編集長である岩田和明の単独行動」だったと説明。また、「他の関係者、及び海外映画ニュースの配信を担当している外部委託者は、いっさい関与をしておりません」とした。
「断じて許せない行為」 編集部の謝罪と見解は?
「映画秘宝」編集部の公式Twitterは1月26日、「『映画秘宝』編集長・岩田によるダイレクトメッセージによる恫喝に関するご説明」と題した謝罪文を掲載。
前述の経緯を説明した上で、「本誌編集部としては、雑誌という公共性を持ったメディアが個人に対して攻撃を加える行為を、断じて許せない行為だと考えます。被害者の方に深く謝罪を申し上げます。大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。
加えて、看過することができない点として「岩田(氏)が被害女性に直接電話で連絡を持ったこと」を挙げた。
これについて編集部は、「岩田からの謝罪文の送付を待っていたタイミングで、預かり知ることができませんでした。謝罪のためとはいえ、被害者にとって暴力的な行為であり、それを未然に防ぐことのできなかった責任は編集部にあると考えております」と見解を示した。
続けて、「『映画秘宝』は映画から、差別や暴力の恐ろしさを学び、その上で弱者に寄り添うことを編集上のポリシーとして雑誌の制作を続けてきておりました。今回の岩田の行為は、本誌の信条(謝罪文では心情)と真向から対立する、許しようのない行為です」と岩田氏を非難した。
編集部は後日協議の上で、岩田氏の処分を決定するとしている。また、同件について、雑誌を発行する双葉社は関与していないという。