下着は白色に指定、違反していないか教員がチェックする。
眉毛を剃ったら、生えそろうまで毎朝チェックを受ける。
「何のためにあるの?」と問いたくなるような、理不尽な校則や指導が問題になっています。
意見すれば「内申に響くぞ」
福岡県弁護士会が2020年、福岡市立中学校(全69校)に実施した調査で、うち57校が「下着の色」を「白」などと校則で指定していたことが分かりました。
ツーブロックなど「髪型に関する規制」は62校、「眉毛に手を加えることを規制」は56校でした。違反した場合は教室に上げない、眉毛を強制的に書くといった指導もありました。
さらに、弁護士会が学校生活の指導に関して生徒や保護者、教員に聞き取りをしたところ、次のようなケースも報告されました。
・おでこの産毛を剃ったところ、教師から職員室前で 1 時間半、立ったまま指導された。「おでこの産毛を剃ってはいけない」という校則はなく、生徒が泣いていても指導は終わらなかった
・多目的トイレを使ってはいけない
・暑くても袖をまくってはいけない
・スカート丈の検査で体育館に集められ、両手を水平に伸ばし、膝立ちをさせられる
・体操服に着替えているときに教師が入ってきて、下着の色の指導をされる
・眉毛を整えたら、生えるまで毎朝職員室でチェックを受けなければならない
調査を担当した佐川民弁護士は、「生徒が校則について意見をすると『内申に響くぞ』といさめられたり、生徒総会で議論することを認められなかったりするケースが複数ありました」と話しています。
「これらの生徒たちはいかに理不尽だと思っても、声を上げて校則の策定に関与することを認められていません。一方で教員側は『おかしい』と指導のやり方に疑問を持ちながらも、なかなか変えられない実態があります。下着や髪型を規定する校則はそもそも必要なのか、ということを問いたいです」
生徒が関わる仕組みづくりを
こうした校則を問題提起する動きは、他にもあります。
佐賀県弁護士会は、「下着は白とする」などの不合理な中学校の校則の見直しを求める提言書を公表。2020年11月、県教委に提出しました。
提言書の中で、校則を変更する手続きでは、生徒の意見を聴取するなど「生徒が関与する仕組みを作るべきだ」としています。
学校生活に制限を加えるルールにもかかわらず、主体である生徒は事実上、蚊帳の外。
こうした状況に、国際社会からも指摘する声が上がっています。
国連子どもの権利委員会は2010年、日本政府に対して「学校で子どもの意見が重視される分野が限定されていること」への懸念を示しました。
意味をなさず、人権を侵しかねない。
そんな硬直的な校則、そろそろ変えませんか。
皆さんの体験を聞かせてください
ハフポスト日本版では、学校生活に関する理不尽な校則や指導について、過去1年間での体験や意見を募集しています。こちらのアンケートにお寄せください。
結果は、ハフポスト日本版の記事などで紹介する予定です。ご協力をよろしくお願いいたします。
【アンケート】>>『理不尽な校則・指導に関するアンケート』