アメリカ大統領就任式が1月20日(現地時間)に開かれ、民主党のジョー・バイデン氏が第46代大統領に就任した。
宣誓後の就任演説で、バイデン氏はアメリカのこれからは「一部のアメリカ人ではなく、より良い国を目指す全てのアメリカ人にかかっている」と切り出した。
また、新型コロナウイルスに触れて「第二次世界大戦よりも多くの人の命を奪った。多くの職を失わせ、企業が倒産した」と述べ、亡くなった人たちらに追悼の意を評した。
さらに、人種の公正を求める数百年に渡る闘いの歴史や、黒人の人たちへの暴力を念頭に「過激主義や白人至上主義にも私たちは立ち向かっていかなければならない」と訴えた。
演説の中で何度も訴えたのが結束だ。新型コロナウイルスや不況、人種差別など直面するさまざまな課題に対して、結束して乗り越えることができると強調。「結束はアメリカが前進するための道。私たちは決して失敗しない。一緒に行動する時だ。ですからこの場所で、新たに始めよう」と呼びかけた。
カマラ・ハリス氏が女性としても黒人としても初の副大統領に就任したことに触れて「物事は変わらないと言わないでください」とも問いかけた。
「対立はやめようと呼びかける」
ワシントンD.C.にある議事堂では1月6日、バイデン氏の勝利に抗議するトランプ氏支持者による暴動が起きた。バイデン氏はその暴動にも言及し、「彼らは暴力で人々の意思を黙らせようとし、民主主義を止めようとした。二度と起こしてはいけない。今日、明日だけではなく、永遠にだ」と誓った。
その上で、選挙で自分に投票しなかった人達に向けて「意見の相違はある。それが民主主義。それがアメリカ。それを平和的に解決するのがアメリカの強い部分。私は全てみなさんにとっても大統領になる。私を支持しなかった人、支持した人どちらのためにも仕事をしたい」と強調した。
そして「共和党対民主党、郊外対都市部、保守対リベラルという対立はやめないといけない。寛容が必要で、お互いの立場に立つ必要がある」と、ともに歩もうと呼びかけた。
バイデン氏は海外へのメッセージとして、「アメリカは試練を受けたから強くなった。再び協調関係を修復し、世界と関わりを持っていく。私たちは、私たちの力だけではなく、手本となることによって世界を率いていく。私たちは平和のための安心できるパートナーとなる」と述べた。