中国で活動する韓国人の有名YouTuberが「キムチとサム(葉野菜などで具材を包む料理)は韓国の文化」と話したことに、中国のネットユーザーからの批判が相次ぎ、中国の所属事務所から解雇された。
チャンネル登録者数529万を誇る大食いユーチューバー・Hamzyは1月15日、自身のYouTubeチャンネルにチュクミビビンバ(辛いイイダコのビビンバ)と白キムチなどを食べる映像をアップロードしたところ、コメント欄に中国からの多くの批判が集まった。
経緯はこうだ。Hamzyは2020年11月、料理を葉野菜で包んで食べる映像をアップした。あるネットユーザーがここに「サムの文化は中国発祥だという映像を見て腹が立ったが、(韓国人の)Hamzyがサムの映像をあげてくれて嬉しい」というコメントをした。
そしてHamzyは、このコメントに「いいね」を押していた。
問題は、この時から始まっていた。
中国のネットユーザーは、Hamzyのこの行動をWeiboなどで共有し始め、Hamzyを攻撃し始めた。Hamzyは「『キムチやサムは韓国のもの』と言って何の問題があるのか。泡菜(パオツァイ)は中国の料理でキムチは韓国の料理」と反論した。
泡菜(パオツァイ)は中国の四川料理で、キムチと同様の辛い漬物だ。中国国営メディアが以前「キムチは中国発祥」との論を展開したこともあり、論争がかねてから続いていた。
論争が続いていた17日、Hamzyの所属事務所は、契約を解消したと発表した。発表では、「Hamzyの中国に対する侮辱は、大衆にとても悪影響を与えた。協力を公式に終了する。中国ファンたちを傷つけた発言で、会社の信頼に傷をつけた。当社は、中国に対する侮辱に断固として反対する」とした。
18日、Hamzyは自身のYouTubeコミュニティでこの論争についてコメントした。
Hamzyは、コメントに「いいね」を押した経緯や契約解除について述べ、「中国で活動するために、キムチは中国の食べ物だと言わなければいけないのであれば、中国での活動はしない」と伝えた。
続けて「中国の方も、韓国で活動するために中国の食べ物を韓食と言わなくてもいい。これについては、中国の方も理解してくれると思う」と強調した。
他の映像でも論争に…
「キムチ」をめぐる韓国と中国のネットユーザー同士の論争は、これが初めてではない。
中国の有名ユーチューバーが、白菜でキムチを作った後、チゲを沸かして食べる映像をあげ、「中国の食べ物」と紹介したことが韓国で論争になった際には、中国のネットユーザーたちがむしろ韓国を批判する事態となっていた。
1月9日、購読者数1400万人を保有する中国人ユーチューバーの李子柒(リー・ズーチー)は、YouTubeチャンネルとウェイボーのアカウントなどに、畑から収穫した白菜をキムチにする様子を公開。キムチでチゲを作った。しかしこれに #中国(伝統)料理法(#ChineseCuisine)、#中国料理(#ChineseFood)というハッシュタグをつけた。
これに反発した韓国のネットユーザーたちは、「キムチは、韓国の伝統食なのに、なぜ中国の食べ物として紹介するのか」「韓国が植民地支配を受けながら70年間以上守ってきた文化を、目を開けたまま奪おうとしている」と抗議。
逆に中国のネットユーザーは「泡菜(パオツァイ・中国語でキムチ)は、四川の伝統食だ。四川の人たちがパオツァイをはじめて作って食べたとき、韓国という国はなかったに違いない」「食文化は、いつも他の国と重なる」などのコメントで反論した。
この記事はハフポスト韓国版を翻訳・編集しました。