東京オリンピック・パラリンピックの開催について、厳しい見通しを海外の主要メディアが伝えている。
ロイター通信が河野太郎氏の発言を報道
インタビューで河野氏は、無観客での開催など、開催の方法には「あらゆる可能性がある」と説明。「五輪の主催国としてできることは何でもする必要がある。そのため、開催するとなれば良いオリンピック大会にすることができる」と語った。
また、「現時点では五輪に備えてわれわれは最善を尽くす必要があるが、どちらに転ぶかは分からない」と述べ、「オリンピック委員会はプランBやプランCなども検討しているだろう。生易しい状況ではないが、予備計画を用意しておかなければならない」とも語った。
ニューヨークタイムズ「開催の望みは薄くなった」
翌15日に、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、「東京オリンピック開催の望みは薄くなった」という見出しの記事を掲載。
記事では、ロイター通信での河野太郎氏の発言のほか、開催に「確信が持てない」と英BBC放送に述べたIOC委員のディック・パウンド氏(カナダ)の発言を引用。
約80%が「中止すべき」もしくは「さらに延期すべき」と回答したNHKの世論調査も紹介し、国際オリンピック委員会(IOC)は「第二次世界大戦以来、初めてオリンピックをキャンセルすることを余儀なくされる可能性がある」と指摘。開催中止の可能性があると報道した。
加藤勝信官房長官「1マスコミの記事ですから」
加藤勝信官房長官は、17日に生放送されたフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演。ニューヨークタイムズの報道への見解を述べた。
番組で報道に対する見解を求められると、「1マスコミの記事ですから、それに対して一つひとつコメントはもともとする立場でありません」と言及。
その上で、「もともとIOCのバッハ会長含めてですね、今年、場所もスケジュールも決まっているわけでありますから、それに向かって関係者の方々も今、感染の対策も含めて準備に取り組んでいただいている。こういう状況であります」と述べるにとどめた。
予算は総額1兆6440億円「最も経費がかかる大会」
東京オリンピック・パラリンピックをめぐっては、菅首相や東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長らは、確固として開催への強い意欲を示している。
菅首相は20年12月に「人類がウイルスに打ち勝った証として東京で開催する決意だ」と述べており、1月7日の緊急事態宣言の発令に伴う記者会見でも、「感染対策を万全にして安全・安心な大会を実現したいという決意を持っている」と語っていた。