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7割のライブハウスやクラブで、音楽関連事業の収入が50%以上減少した。3割の俳優や劇作家、演出家などのアーティストが、「先が見えない」などの理由で「死にたいと思った」――。コロナ禍が音楽・映画・演劇関係者にもたらす影響を調べたアンケート結果が公表された。
収入大幅減、「半年以上もつか」... ライブハウスの厳しい現状
アンケート調査は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、文化芸術関係者の有志が立ち上げた団体が実施した。
ライブハウスへの支援を求めるプロジェクト「SaveOurSpace」は、1月3日〜7日にかけ、全国のライブハウスやクラブ関係者、フリーランスで働く音楽関係者を対象にインターネットでアンケート調査を実施。
2019年と比較して、音楽関係の事業による2020年の収入がどのように変化したか尋ねたところ、42.6%の人が「76%以上減少した」と回答した。「51〜75%程度減少した」と答えたのは29.4%で、収入が半分以上減少した人は、約7割にも及んだ。
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「SaveOurSpace」やライブハウス関係団体が2020年7月〜8月にかけて行ったアンケートでは、4割以上が「半年もつかわからない」と回答。「1カ月もつかわからない」「3カ月もつかわからない」という回答と合わせると、6割が半年以上の運営を見通せないという結果だった。休業要請などがもたらした厳しい現状を浮き彫りにしていた。
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新しい仕事「まったくない」、「死にたいと思った」人が3割
演劇界への公的支援を求める「演劇緊急支援プロジェクト」は、2020年12月31日から21年1月7日にかけて、俳優や声優、劇作家や演出家など文化芸術に関わる人を対象としたアンケート調査を実施。5378人から回答を得た。そのうち8割がフリーランス(個人事業主)として働いている。
新しい仕事の依頼について尋ねると、回答者の52.7%が「減っている」と回答。「まったくない」と答えた人は31%にも上り、多くの人が仕事に困窮していることが明らかになった。
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また、「コロナ禍で死にたいと思ったことはありますか」との質問には、32.5%の人が「ある」と回答。コロナ禍が与えるメンタルヘルスへの深刻な影響も浮き彫りになった。
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休業せざるを得ないのに補償は「なし」。
2度目の緊急事態宣言が発令され、政府や東京都など対象地域の自治体は、20時までの時短営業に協力するよう文化芸術事業者に対しても呼びかけている。
しかし、特措法に基づく要請ではないため、時短営業に応じても、飲食店やカラオケ店に支払われる協力金などの補償はない。
こうした状況を受け、「SaveOurSpace」、「演劇緊急支援プロジェクト」、ミニシアターの支援を主に行う「SAVE the CINEMA」ら3団体が1月14日に会見を開き、文化芸術業界が直面する危機的な状況を訴えた。
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「SaveOurSpace」の加藤梅造(LOFT PROJECT)さんは、時短営業の呼びかけに留まるとはいえ、ライブハウスや劇場などは「実質休業せざるを得ない状況にある」と指摘。「1度目の緊急事態宣言の時と同じ打撃を受けることになる」と述べ、早急な支援が必要だと訴えた。
3団体は経産省や財務省、文化庁などの関係省庁に要望書を提出しており、一定割合の額の給付や売り上げ減に伴う補償など、公的支援制度を拡充するよう求めている。

