東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏における緊急事態宣言の発令を受け、エンターテインメント関連のライブ、公演等の中止や延期の発表が相次いでいる。
音楽ライブエンタテインメント業界4団体は1月6日、西村康稔経済再生担当大臣に対し、「緊急事態宣言に対する要望」を提出。
イベント開催制限条件の現行維持や、緊急経済支援策などを求めた。
「産業自体の存続にとって致命的」
要望を提出したのは、日本音楽出版社協会(MPA)、日本音楽事業者協会(JAME)、日本音楽制作者連盟(FMPJ)、コンサートプロモーターズ協会(ACPC)の4団体。
以下の3つの点を求めている。
(1)イベント開催制限条件については現行のままとすること。
(2)コロナ禍とともに公演開催自粛期間が長期化し事業機会、就業機会を喪失している業界に対し、止血となる緊急経済支援策を講じること。
(3)(緊急事態宣言に基づく公演中止・延期の場合)公演会場に対する公演事業者のキャンセル料支払い免除措置(公演会場への公的補填)を講じること。
発表では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「政府のイベント自粛方針を受け、音楽ライブ・コンサートは、その規模の大小を問わず、他の業種に先がけて自粛を行って参りました」とし、「早期に業界が自主的な対応を行ったことは、感染拡大防止の一助となったことと自負している」と説明。
4団体の調べによると、2020年5月25日に緊急事態宣言が解除されて以降、無観客公演250公演、有観客公演約7,100公演(総動員数約230万人)が開催。
ガイドラインを遵守し、「『大声を出す』『密集する』『地域間移動』等、音楽ライブ・コンサートの開催にあたって感染予防・感染拡大防止の観点から注意すべき要素・リスクは徹底的に低減され、現在に至るまで当該4団体会員社によるコンサート会場からの感染者発生は認められておりません」とした。
コロナ禍の長期化により、多くの事業者の経済的損失も大きく、事業継続が困難になり、「さらなる制限強化は産業自体の存続にとって致命的」だと判断し、今回の要望書の提出に至った。
4団体は、今後も感染拡大防止対策を徹底し、「音楽ライブエンタテインメントを愛するお客様に安心してご来場していただける環境創りに邁進し、強い決意をもって日本のライブエンタテインメント産業を継承し発展させてまいる所存です」としている。
十分な補償求める署名活動も
音楽イベント等をめぐっては、署名活動サイト「change.org」で、文化的施設の存続や実演家の活動に対し、緊急事態宣言下の自粛営業・活動に対する十分な補償を求めるキャンペーンも行われている。
同キャンペーンでは、「夜8時までの時短営業要請に対し、各店舗への規模に準じた充分な補償無き要請は即座に廃業を余儀なくされる」と主張。
「文化は生活、文化は経済」とし、「大切な文化を守るため、文化的施設とそこに関わる人々を守り維持させていくための十分な補償を求めます」と訴えている。