アップルカー(仮)の噂話が自動車業界を駆けめぐり、テスラ株も一時急落した12月末。Appleシリコンが投入された自動運転車が登場するのか、それとも他社の車向けサービス提供に留まるのか興味深いところです。
M1 Mac向けにArm版Windows提供?からアップルカー(仮)、2024年に生産開始?まで、2020年最後のアップル噂をまとめてお届けします。
すでにAndroid陣営では折りたたみデバイスは2~3世代目に入りつつあるなか、アップルが「2022年に足を踏み入れる可能性が高い」との噂話です。
台湾のサプライチェーン情報に詳しいDigiTimesいわく、これによりサムスン電子にフレキシブル有機ELディスプレイの高い需要がもたらされる見込みとのこと。サムスンは第1世代Galaxy Foldが発表された直後、アップルに折りたたみディスプレイのサンプルを提供したと噂され、今年9月にも「1年間限定で提供する見通し」と報じられていました。
アップル社内で折りたたみデバイスの研究が進められていることは、数々の特許出願からも明らかです。もっか「いつ発売されるのか」に関心が集まっていますが、複数の情報筋が2022年発売説を示唆している格好です。
次に気になるのがお値段。イスラエルの情報サイトThe Verifierは1499ドル(約16万円)~と報じていましたが、折りたたみデバイスは一般的に高価になる傾向があり、ましてiPhoneブランドで価格を抑えるのは難しいはず。大手証券会社UBSはアップルユーザーが通常のiPhone+600ドルを上乗せしてもいいと考えてるとの調査結果を発表していましたが、現行のハイエンドモデルをさらに上回ることになりそうです。
より大画面となったiPhone SE Plus(仮)の噂は、第2世代iPhone SEが発表される以前からありました。当初は2021年初に発売と予想されていましたが、その可能性は低いとの続報です。
今回の噂話は、英投資銀行Barclaysのアナリストらが複数のアップル関連サプライヤーから聞き取り調査に基づいて発信しているもの。Barclaysは同様のやり方により、iPhone 12 Proのメモリが6GBとなるなどを的中させた実績があります。
ちなみにiPhone SE Plusは、Touch IDを側面の電源ボタンに統合して前面からホームボタンをなくし、全画面デザインになると見られています。つまり第4世代iPad Airと同じアプローチが取られるというわけです。
第2の予測は、2021年のフラッグシップiPhone 13(仮)シリーズではWi-Fi 6Eがサポートされるということ。すなわち従来の2.4GHz帯、5GHz帯に加えて6Gz帯域も利用できるようになり、AR/VRデバイスとの連携も改善されて新たなユーザー体験が実現される可能性もあります。
iPhone 13については、iPhone 12 Proモデルに採用されたLiDARスキャナ(3Dセンサー)が無印モデルにも搭載されるとの噂もあります。iPhone 12シリーズではiPhone 6の記録を凌ぐスーパーサイクル(旧モデルからの買い換えブーム)が来ているとの分析もありますが、来年も勢いが持続するのかもしれません。
米Reutersがアップル独自開発の電気自動車(EV)、通称アップルカーが「画期的なバッテリー技術」を採用して、早ければ2024年に生産開始の可能性があると報道。米国の自動車業界やウォール街がざわめいている次第です。
アップルの自動運転プロジェクト「Project Titan」は様々な紆余曲折があり、2019年には従業員を200人解雇して再編したとの観測もありました。直近では開発の責任者にAI担当トップが就任したとの噂もありましたが、Reutersによれば自社ブランドの車両製造プロジェクトが「十分に進んでいる」とのことです。
台湾のサプライチェーン方面からは「2021年9月に発売」との噂話もありましたが、有名アナリストMing-Chi Kuo氏が予想した2023年~2025年よりも2年以上は前倒しになるかたち。さすがにあり得ないのでは……と信ぴょう性が疑われたやさき、Reuters報道が飛び込んできた流れです。
この報道に対して、EVや自動車業界の大物から興味深い反応もありました。まずイーロン・マスク氏がアップルにテスラ買収を持ちかけたが、クックCEOが会ってもくれなかった過去を告白することに。また「画期的なバッテリー技術」の中核とされたモノセル設計(ポーチやモジュールを排除して、多くの電池材料を詰め込めるデザイン)に関しては「電気化学的に不可能だ」ともコメントしています。
逆にフォルクスワーゲンCEOは「自動車産業の変革を加速することを期待」と温かいコメントを寄せています。アップルの自動車産業への参入については「自動車は粗利率がiPhoneより低いので、他社製の自動車にアフターマーケット(後付け)製品やサービス提供に留まる」との見方もありますが、今後の動向を見守りたいところです。
長らく更新が止まっているApple TV(最近「動画配信サービスじゃない方」とよく言われます)につき、新たなプロセッサが搭載され新型リモコンも付いたモデルが2021年に登場するとの噂話です。
ウワサの発信源は、アップルのインサイダー情報に詳しいMark Gurman記者。Gurman氏は以前から何度か新型Apple TVがまもなく登場すると述べており、それらが改めて補強された続報です。
新型Apple TVに搭載されるプロセッサとしては、iPad ProシリーズのA12X/A12Z、あるいはiPhone 12シリーズと同じA14になるなど諸説があります。いずれにせよ、現行Apple TV 4Kに内蔵されたA10X Fusionよりも大幅な性能向上が見込まれ、Apple Arcade等で遊べるゲームの幅が広がるはず。
またHomePod miniと同じくU1チップ、すなわちデバイス同士の位置特定や空間認識を向上させるUWB(超広帯域無線)機能が搭載との噂もあり、単なるストリーミング動画再生や据え置きゲーム機以上に進化を遂げるのかもしれません。
Mac上でWindowsが動かせる仮想化アプリParallels Desktop 16がM1 Mac対応のテクニカルプレビュー版を公開中ですが、これをマイクロソフト幹部が試用して絶賛しているという意味深なニュースです。
MSのOneDrive担当重役であるOmar Shahine氏は、M1チップ搭載MacBook AirでArm版が動いたスクリーンショットと絶賛をツイート。そこでParallelsとMSの公式アカウントに謝意を表していることが、少なからず注目を集めることになりました。
すでにArm版WindowsがM1 Mac上で仮想化技術を介して動くことは有志が証明済みです。しかし、そこで使われたのはInsider Program参加者向けの「Windows ARM 64 Insider Preview」であって製品版ではありませんでした。
日常の業務で運用する上では、やはりMS正規のライセンスや製品版パッケージが必須です。アップル幹部が「M1搭載MacでArm版Windows 10は動作可能。すべてMS次第」と述べている一方で、MSは公式には「OEMのみにライセンスしています」以上のコメントを表明せず、将来的に個人向けに販売するかどうかは依然として不明なままです。
そんななかでMS幹部が「ParallelsとMSを対等に扱いつつ、自社製品がM1 Mac上で仮想的に動いている写真を公開」ということで、一般ユーザー向けにArm Windowsの販売があり得るかも……と期待が大きく膨らんだかたち。MSにとっては自社OSの販路が広がる一方でデメリットは考えにくいため、朗報を待ちたいところです。
(2020年12月27日Engadget 日本版「M1 Mac向けにArm版Windows提供?からアップルカー(仮)、2024年に生産開始?まで。最新アップル噂まとめ」より転載)
関連記事