2020年は「社会のあらゆる分野において、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%に」と定めた政府目標のゴールのはずの年でした。
しかし、目標は先延ばしにされ、ジェンダーギャップ指数(2020)では日本は世界153カ国中121位と過去最低となっています。
順位を引き下げている要因の一つが、政治分野の男女格差です。
これは、1945年から2020年までの、下院(日本では衆議院)におけるG20と北欧3カ国の女性比率の推移を比較したグラフです。
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*G20のうちサウジアラビアはデータが足りなかったため除外。
衆院の女性割合、74年かけて1.5ポイント増
日本で女性が初めて参政権を行使したのは、1946年4月の衆院選挙でした。この時当選した女性議員は39人、比率は8.4%。これは、当時フィンランドに次いで高い割合でした。
ところが翌47年に行われた衆院選では、女性議員は15人(3.2%)まで落ち込み、その後は90年代半ばまで1〜2%台を低迷し続けます。
2000年代に入って少しずつ増え、現在は9.9%と約1割まで到達しましたが、世界に目を向ければ世界190カ国中167位。先進国では最下位です。
この間、世界では女性議員を増やすために様々な施策を打ちだしてきました。
例えば韓国では、90年代半ばまでは日本と同じように2〜3%と低迷していましたが、2000年に比例代表の30%を女性に当てる候補者クオータ制を導入。
2004年には、さらに比例の50%以上(義務)と小選挙区の30%以上(努力義務)と割当を増やし、女性議員の割合は2020年には19%まで伸びています。
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「2025年までに女性候補者35%」は実現できるか
2つのグラフは、政党ごとの女性比率を示しています。色の薄いドットは男性、濃いドットが女性です。
衆院では、国民民主党や共産党では女性比率が2割を超えていますが、グラフから分かるように全体的なインパクトはさほど大きくはありません。
一方、有権者の51.7%(2019年10月)は女性です。現在の国会は、国民の代表として有権者の声をしっかり反映していると言えるでしょうか?
日本でも2018年、男女の候補者の数ができるかぎり均等になるよう政党に努力を求める「候補者男女均等法」が国会の全会一致で可決、成立しました。
施行後初めての国政選挙(補選をのぞく)となった2019年参院選では、各党の女性候補比率は、共産党が55%▽立憲民主党が45.2%▽国民民主党が35.7%▽日本維新の会は31.8%▽自民党は14.6%▽公明党は8.3%ーーでした。
全体数が多い自民党で、そもそもの選択肢が少ないことがわかります。