新型コロナ変異株「子どもにも感染しやすい恐れ」 イギリス政府の諮問機関が調査

ロンドンなどで感染者が急増している変異株「VUI-202012/01」。感染力は、古い種よりも最大70%高い可能性があるとも言われる
イメージ写真(イギリス、2020年12月5日)
イメージ写真(イギリス、2020年12月5日)
SOPA Images via Getty Images

イギリス・ロンドンなどで猛威を奮っている新型コロナウイルスの変異株。従来と異なり、大人と同じように子どもにも感染しやすい特徴をもつ可能性があることが、同国の諮問機関の調査で判明した。

イギリス政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ロンドンや周辺地域に外出制限を導入している

ロイター通信によると、イギリス政府の諮問機関「新型呼吸器系ウイルス脅威諮問グループ(NERVTAG)」は12月21日、同国内で確認された新型コロナウイルスの変異株について、従来と異なり、大人だけでなく子どもにも感染しやすい可能性があるとの見方を示した。

インペリアル・カレッジ・ロンドンの教授で、同グループのメンバーのニール・ファーガソン氏は「子どもに感染する傾向が高いという兆候もある」と指摘。「因果関係ははっきりしていないが、データからその兆候を見て取ることができる」と述べ、今後の動向を知るためにさらに多くのデータを集める必要があるとしている。

Sky Newsによると、同じくグループのメンバーで、インペリアル・カレッジ・ロンドンの教授のウェンディ・バークレー氏は「おそらく子どもは大人と同じようにこのウイルスに感染しやすいため、より多くの子どもが感染することが予想される」と説明した。一方で、「(変異種が)特に子どもを標的にしているわけではない」と強調した。

変異株の特徴は?

ロンドンなどを中心に感染者が急増している変異株の名称は、「VUI-202012/01」。イングランド南部のケント州で12月13日に最初に確認された。

イギリスのボリス・ジョンソン首相は、12月19日の記者会見で、この変異株について「致死率が高いことや、重症化しやすいことを示す証拠はない。ワクチンが、変異株に対して効果が低いことを示す証拠も今のところない」と説明した。

さらに、「かなり不確かではある」と前置きした上で、「変異株の感染力は、古い種よりも最大で70%高い可能性がある」と述べている

注目記事