アメリカ国内で、新型コロナウイルス感染症による死者が累計で30万人を超えた。
これは、退役軍人省が発表する第二次世界大戦(1941〜1945年)の4年間における戦闘による死者数29万1557人を超える数字だ。
新型コロナの感染拡大が深刻化するアメリカ。現地メディアではこの「死者数30万人以上」という数字について、多くの死者を出した戦争などを参照しながら、危機的な状況を報じている。
1日の死者数、9.11や真珠湾攻撃による死者数超える
ニューヨーク・タイムズでは、12月14日に30万人超えについての記事を配信。死者が累計25万人に達してから1カ月も経たないうちに30万人を超えたことは「1つの悲惨な記録」だと見解を示した。
30万人という数字は、アメリカ疾病予防管理センターが予想する2020年のがんによる年間死亡数のおよそ半分で、ペンシルベニア州ピッツバーグの人口とほぼ同じだとも報じている。
NBC Newsも同様に、第二次世界大戦や同時多発テロ事件と数字を比較しながら報じている。
5月時点で「1945年以降戦死したアメリカ人の合計数を超えた」
Business Insiderでは、コロナによる死者数が、第二次世界大戦の戦死者数を超えたことについて、「人類史上最も血を流した戦争で戦死したアメリカ人の総数よりも多い」と表現。
4月以降の死者数の推移についても、アメリカの戦争での死者数と比較しながら報じている。
4月下旬までの死者数については「ベトナム戦争よりも多い」とした。
その後5月中旬頃までの死者数については、「1945年以降のすべての主要なアメリカの戦争で戦死したアメリカ人の合計数(およそ8万7000人)をすでに超えた」と伝えた。
また、12月時点での30万人以上の新型コロナ死者数は「アメリカ史上、最も血が流れた内戦である南北戦争の死者(およそ62万人)のほぼ半分に相当する」とまとめている。