政府は12月14日、全世代型社会保障検討会議(議長・菅義偉首相)を開き、最終報告をまとめた。男性育休の取得促進や75歳以上の医療費負担引き上げなど、現役世代へのメッセージが色濃い内容となった。
最終報告では、「現役世代の負担上昇を抑えることは待ったなしの課題」と指摘。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり始める2022年度の後半をめどに、単身で年収200万円以上(複数世帯の場合は、後期高齢者の年収合計が320万円以上)を対象に窓口負担を1割から2割に引き上げるとしている。
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また、少子化対策として、2022年4月から不妊治療への保険を適用する。保険適用実現までの間は、現行の助成制度について所得制限の撤廃や女性学の増額などの拡充を行う。
待機児童対策として、2024年度末までに「新たに14万人分の保育の受け皿整備」も盛り込まれた。
財源の一部には、児童手当の支給を見直して浮いた分を振り分ける。児童手当は、2022年10月支給分から、世帯主が年収1200万円以上の家庭は支給対象外となる。
さらに、低迷が続く男性の育休取得についても、出産直後の取得を促すための制度創設や育休制度の周知を企業に義務付けるなどの方策を打ち出した。
最終報告について、出席した民間議員の1人は「未来を担う若者、子供たちへの責任を果たすという意味で非常に重要だ」と述べた。