旅行が原因で感染拡大ーー。
スコットランドとウェールズで夏以降に新型コロナウイルスの感染が拡大したのは、旅行によって国内外からウイルスが持ち込まれたためだと結論づけるレポートが、12月9日、イギリスの科学者チームによって発表された。
研究チームがウイルスの遺伝子配列を解析した結果、スコットランドで第1波の際に流行したウイルスはロックダウンの間にほぼ消滅したと見られ、夏以降の第2波では異なる遺伝子配列を持つウイルスが原因となったという。ウェールズでも同じ傾向が見られた。
研究チームは「スコットランドとウェールズのパンデミックは旅行によって引き起こされ、その後、人口密度に応じて広がった」と結論づけ、旅行制限や国境管理の重要性を強調した。
地元メディアによると、6月に国境の封鎖を解除したことについて問われたスコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は「私たちは間違うかもしれない、後になってそれが間違いだったと分かることもあるかもしれないと、はっきり伝えてきました。ですから、私たちはもしかしたら違う方法を取るべきだったのかもしれません。私は決して、自分たちが間違っていなかったというふりをするつもりはありません」と語った。
日本の「GoToキャンペーン」は?
感染拡大が続いている日本でも、医師会や専門家らが「GoToキャンペーン」の見直しを求めているが、菅義偉首相は国会で「GoToトラベルが感染拡大の主要な原因とのエビデンスは現在のところは存在しない」と答弁していた。
12月11日に行われる政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会では、GoToキャンペーンの一時停止について話し合っているとみられる。