半世紀近くを連れ添ったアメリカ・ミシガン州の夫婦が、いずれも新型コロナウイルスに感染し、同じ日に亡くなった。遺族は「美しいことですが、とても悲劇的です」と悲しみに暮れている。
真面目な妻、陽気な夫
葬儀場が公表している訃報記事によると、亡くなったのはミシガン州のレスリー・マクウォーターズさん(75)と、妻のパトリシアさん(78)。いずれも新型コロナウイルスに感染して入院し、11月24日に死亡した。
ワシントンポストによると、パトリシアさんは几帳面で、真面目な性格だった。看護師として、故郷のミシガン州ジャクソンの病院で35年間勤務した。
同郷出身の夫レスリーさんはトラックの元運転手。ユーモアと愛情にあふれ、冗談を言って家族や友人たちを笑わせることを楽しんでいたという。
マクウォーターズ夫妻は1973年に結婚。2人の娘や孫、ひ孫たちに恵まれた。
2人は最初に出会ったバーに出かけ、踊ることが大好きだった。家族とゲームやアウトドアを楽しむ時間を大切にしていたという。
「逝く時間だよ!」
夫妻は24日、ほぼ同時刻に息を引き取ったという。訃報記事には、「彼らはほとんど常に一緒に過ごしていたので、ほとんど同じ時間に亡くなったことは当然のことだった」「母が先に逝って、『LD(レスリーさんの呼び名)、逝く時間だよ!』と言ったのだと思います」とつづられている。
娘のジョアンナ・シスクさんは、そう信じる理由について「母が『ボス』だったから」とワシントンポストの取材に答えている。
シスクさんは、「(同じ日に亡くなったことは)美しいことですが、とても悲劇的です」「どちらも、独りで残されたくなかったのでしょう」と語っている。「親ひとりを失うだけでもつらいことですが、今回は最悪でした。家族みんなが打ちひしがれています」
NBCによると、ミシガン州では新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化。11月15日には、屋内の会合や集団活動を制限する緊急命令が発表された。