結婚や交際をしない若者が増えているー。
日本のこのニュースに対し、中国のネットユーザーから次々に共感の声が上がっている。
中国は独身者が2億4000万人いるとされ、ひとり暮らしの人も9000万人ごえをうかがう。「草食系」という言葉が定着し、少子化が進む日本に対し「我々もすぐ日本のようになる」というコメントすらある。
■「3年は子供を産まないと約束できる?」と人事が...
中国で注目を浴びているのは、東京大学大学院の坂元晴香・特任研究員らが11月に発表した研究だ。研究では国の出生動向基本調査などをもとに、18歳から39歳までの成人を対象に、交際や結婚への意識の変化を調べた。
それによると、未婚かつ異性と交際していない人の割合は過去30年で増加していて、1992年と2015年を比べると、女性は27.4%から40.7%と上昇していたという。男性も40.3%から50.8%となった。同性間の交際は含まれていない。
これを日本のメディアが報じると、中国でも翻訳され話題に。SNS「ウェイボー」では「日本で恋愛や結婚をしない若い女性が1.5倍に」としてトレンド入りし、関連するハッシュタグの閲覧回数は2億回を超えた。
SNSのコメントは、日本の傾向に共感を示すものが多い。「一人で暮らすのが快適すぎる」「仕事で疲れているのに、他の人のことを考えている余裕はない」などといった投稿が並ぶ。
また、中国では結婚や出産をしても働き続ける女性も多いが、結婚後の働きにくさを考慮する人もいる。
「『結婚しているか』『恋人はいるか』『結婚する予定はあるか』『3年は子供を産まないと保証できるか』『子供が仕事に影響しないと約束できるか』などと人事が聞いてくる」としたコメントには2万を超える“いいね”がつく。
■「一人っ子政策」やめたのに...減る子供の数
国営放送CCTVによると、中国の独身者は2018年時点で2億4000万人いるとされる。結婚率が右肩下がりなのに対し、離婚率は年々上昇。7700万人いるとされるひとり暮らしの人も、2021年には9200万人に増加すると見込まれる。
原因の一つとして、価値観の多様化が挙げられる。
現地の研究機関「国金証券研究所」は、“結婚して家庭を設ける”という従来の考え方が変化していると指摘。結婚や出産、子供の教育などにかかるコストが敬遠され、代わりに自分一人の生活を充実させることを望む傾向が強まっているとして「若者が“日本化”している」と指摘している。
CCTVによると、結婚をしない人に理由を尋ねたところ「一人が快適」「恋愛はまだいい」と答えた人は28%と最も多かった。
「草食系」という言葉も定着し、少子化が進む日本は、中国にとっては今後起こり得る未来の一つと捉えられるのかもしれない。中国でも少子高齢化は進んでいて、「一人っ子政策」の廃止を2015年に決めたものの、ここ3年は連続して出生数が下がっている。
ウェイボーには「我々もすぐに日本のようになるだろう」というコメントもある。