訪日している国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長は11月16日、東京大会に合わせて訪日する参加者について「可能な限り(新型コロナウイルスの)ワクチンを接種した上で参加してもらいたい」という見解を述べた。
バッハ会長はこの日、IOC・IPC合同プロジェクトレビューに出席。東京オリンピック・パラリンピックの開催を予定している2021年夏までに、新型コロナウイルスのワクチンが開発・普及しているという前提で、次のように述べた。
「各国のオリンピック委員会(NOC)を通してあらゆる努力や支援をしてもらい、選手や役員、関係者が訪日前にワクチンを接種することを働き掛けてほしい」
こうした対応について、日本の人たちに向けて「全てがちゃんと尽くされたということを知っていただきたい。大会の参加者を守るだけではなく、日本の国民を守ることになるのだと信じていただきたい」と呼びかけた。
訪日観光客についても「ワクチンを施した上で、来てもらいたいと思っています」と述べた。
バッハ氏はまた、東京・代々木体育館で11月8日、観客数を制限した体操の国際大会が開かれたことにも触れて、「来年に必ずや妥当な数の観客をスタジアムの中に入れることができると思っています」と説明。
観客を入れた形でオリンピック・パラリンピックを開催する意向を改めて示した。
ワクチン、入手可能なら「IOCがコストみる」
バッハ会長はその後、大会組織委員会の森喜朗会長らと記者会見に臨んだ。
記者から、外国人選手らに対するワクチンの確保・提供方法や費用負担について問われた。
バッハ会長はまず、選手らへのワクチン接種を義務化するのではないかという憶測を否定。
「ワクチンを受けていないとダメということは言っていません。説得をして、できる限り多くの参加者にワクチン接種をしてもらいたい」と述べた。
ワクチンをどう確保するのかについては言及しなかったが、「(アスリートや関係者分の)ワクチンが入手可能であるという場合は、IOCがコストをみる」と説明。
各国のオリンピック委員会と協力しながら、何らかの費用負担をする姿勢を示した。