アメリカ海軍士官学校は、黒人女性のシドニー・バーバー士官候補生が学生の中のトップとなるリーダー的な立場、最高責任者に就任すると発表した。黒人女性がこのポジションに立つのは175年の歴史で初めてだ。
バーバーさんはイリノイ州出身で専攻は機械工学。成績が優秀なだけでなく、学生や卒業生、教員など180人以上で多様性や公平性を向上させるためのチームをつくるなど、幅広く活動しているという。バーバーさんは「アメリカの歴史に残るこの重要なシーズンに、小さな役割を果たすことができて光栄です」 とコメントしている。
Advertisement
アメリカで女性の海軍士官学校への入学が認められたのは1976年。1991年に初めて女性が最高責任者となり、バーバーさんは16人目となる。ただ、これまで40年以上、黒人女性が務めたことは一度もなかった。
アメリカ海軍は6月、軍内の人種差別や性差別などあらゆる差別に対処するためのチームを設立したと発表。差別の解消は士官学校だけでなく海軍内でも課題となっている。ニューヨークタイムズは、そのチームで役員を務める大学関係者の話として「士官学校で黒人女性が最高責任者に選ばれるまで途方もなく長い時間がかかった。それは、海軍にとってマイノリティの志願者をリーダー的地位に選ぶのがどれだけ難しいのかを物語っている」というコメントを掲載している。
同校の発表では、1980年に同校を卒業した初の黒人女性、ジャニー・マインズさんがソーシャルメディアに喜びのコメントを掲載したことも紹介。バーバーさんの写真を紹介し「涙が出ました」「40年かかった。ありがとうシドニー!愛してる!」などと投稿したという。