伊藤詩織さんを「偽名」とツイート、元東大特任准教授の大澤昇平さんの裁判始まる

ツイートは虚偽の内容で、伊藤詩織さんの名誉を毀損しているとして、慰謝料110万円と投稿の削除を求めている。
伊藤詩織さん
伊藤詩織さん
Jun Tsuboike / HuffPost Japan

Twitterで伊藤詩織さんを「偽名」だと虚偽の内容で中傷する投稿を行ったなどとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが株式会社Daisy代表取締役で、元東京大学大学院特任准教授の大澤昇平さんに対し110万円の損害賠償を求めている裁判の第1回口頭弁論が11月2日、東京地裁(藤澤裕介裁判長)であった。

訴状によると、大澤さんは2020年6月、伊藤さんが漫画家のはすみとしこさんら3人を提訴したことを受け、「伊藤詩織って偽名じゃねーか!」とTwitterに投稿

投稿には「伊藤詩織」を通名とする外国人とみられる人物が破産に至ったことを示す官報公告の画像が添付されており、「#性行為強要」などのハッシュタグも添えられていた。

伊藤さん側は、「原告(※編集部注:伊藤さん)は破産開始決定を受けたことはなく、本件ツイートの摘示する事実は真実ではありません」と指摘。また、伊藤さんは本名で、別の名前はないとして大澤さんのツイート内容を否定した。

ツイートが伊藤さんの名誉を毀損しているとして、慰謝料110万円と投稿の削除を求めている。

伊藤さんは裁判に出廷しなかった。被告の大澤さんも出廷せず、請求棄却を求めた。

 

元TBS記者の山口敬之さんからの性暴力被害を訴えていた伊藤さんは、2019年12月に東京地裁で開かれた民事裁判で勝訴した。山口さんは控訴している。

山口さんとの裁判の判決後、伊藤さんは自身に対するSNSでの中傷やセカンドレイプなどについて法的措置をとることを明言。

伊藤さんを揶揄する風刺画をTwitterに投稿したはすみさんと、はすみさんの投稿をリツイートした人物2人に対し、損害賠償を求める裁判を起こした。

大澤さんのツイートはその後投稿されたもので、訴状では、投稿がさらに伊藤さんを誹謗中傷するもので、「いわば『三次被害』ともいうべきものです」と主張している。

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