韓国で行われた世論調査で、「女性も徴兵すべき」「志願制にすべき」という意見がそれぞれ過半数となったことがわかった。
調査はKBS「時事企画 窓」が行った、兵役制度に関する意見を募集した国民パネル調査。女性の徴兵に関しては以下のような設問があった。
「出産数の低下による人口減少で現役兵の対象者が減少しており、女性も国防の義務に参加するべきだという主張があります。あなたは、『女性徴兵制』に対し、どのように考えていますか?」
この設問に対して「女性を徴兵すべき」と回答したのは52.8%で、「すべきでない」という意見の35.4%より多かった。
「すべき」が多かった回答者の属性は、男性(66.3%)、保守性向(56.5%)、軍服務中(66.7%)で、逆に「反対」と答えたのは女性(45.6%)だった。
また、政治や軍内部では近年、強制的な徴兵ではなく志願制にすべきだという議論も浮上している。こうした制度の導入に関する賛否については賛成者が回答者の61.5%。反対の意見を出した28.8%の倍となっていた。
KBSによると、賛成する意見の理由としては「専門性を高め国防力を強化する」とう答えが32.9%で最も多く、人口減に備えた改革の必要性が後に続いた。30〜40代と、自身の政治傾向を「進歩」とした回答者の中で、賛成した人の比率が高かった。
反対の理由としては、南北の対峙状況を挙げる回答が最も多かった。また、志願者が多くないので、募集が難しくなるという答えも多かった。
これは2019年11月、REALMETERが全国19歳以上の成人501人を対象に、志願制の導入に対する国民世論を調査した結果とは大きく異なっている。この時の調査では、募兵制に反対する答えは52.5%で、賛成(33.3%)よりも19.2%ポイント高かった。
また、志願制にした場合に兵士たちに支給する適正な給与水準については、応答者の41.6%が200万ウォン(約18万6千円)未満と答えた。
防弾少年団(BTS)の入隊問題で話題になっている大衆文化芸術に従事する人に対する兵役免除や延期の特例については、賛成44.7%、反対47%で拮抗していた。
今回の調査は、KBS「時事企画 窓」が、KBS公営メディア研究所に依頼し、9月22日〜25日までにKBS国民パネルインターネットアンケート方式で行われた。回答者数は1012人で、標本誤差は95%、信頼水準は±3.1%だった。
韓国では、少子化による人口減少社会に備えて軍をどう維持するかに関する議論が活発に行われるようになっている。
中央日報によると、現在、20歳を基準とした入隊可能者数は29万人いるが、10年後の2030年には20万人に減少、さらに2040年には14万人になる見込みだ。そのため、女性に関しては現在も将校や副士官としての募集が行われている。
この記事は、ハフポスト韓国版を翻訳・編集しました。