「いい歳して」「男なのに」「女なのに」
こういう言葉や考え方を意識して、好きなことや興味のあることをするのをやめたり、ためらったりしたことがある人も多いのでは?
イラストレーターのよねはらうさこさんがTwitterに投稿したマンガ「年齢や性別で楽しむことが制限されないでほしい話」が話題だ。本人に、描くきっかけとなったことなどを聞いた。
中国の町工場とやりとりがあり、たびたび中国を訪れているというよねはらさん。中国に行くと、「楽しそうなおじさんが多い」と感じるそう。自撮りをしたり、タピオカを楽しんだり、TikTokにダンス動画を投稿したり…日本ではあまり見られない風景だが「それはもうキャッキャしている」と紹介する。
一方日本では、そうしたものの多くを「若い女子のもの」とし、「浮ついたもの扱いしすぎてないだろうか?」と問題提起。その結果、飲み会が男性だけにならないよう女性を呼ぶ、というような考え方も生まれるのではないかとも分析する。
最後はタピオカを飲みながら「年齢や性別で楽しむことを制限されるのはおかしい」「楽しむ女性が揶揄されるのもおかしい」「それぞれ楽しく過ごすためにみんなが浮わつけるといいな」と結んでいる。
「みんな自分のしたいことをもっとしていい」
この投稿は3500回以上リツイートされ、「本当そう」「伝統や慣習に縛られず、素敵な時間を大切な人と過ごせるような社会にもっとなっていきますように」などと共感の声が寄せられている。
よねはらさんはハフポスト日本版の取材に「海外がすごい、という話ではないんです。でも海外へ行ったり、海外の友達と接する中で “こう考えれば、みんなもっとハッピーに生きられるんじゃないかな?” と思った考え方をシェアしました」と話す。
例えば日本ではタピオカやパンケーキを楽しむのは若い女性やカップルが比較的多い。そのため男性などから「甘いものは好きでも行きづらい」という声を耳にするという。一方で、楽しむ人たちを「あんなのに1時間も並んで」などと揶揄されることもあると感じている。
でも誰だって、何歳だって、1人でだって、タピオカを楽しんでいい。「男だけっていうのも…」という「配慮」で女性を食事に呼ばなくていい。年齢や性別にかかわらず好きなことを楽しめばいい。そして、楽しんでいる人を揶揄しなくていい。
「年齢や性別にとらわれた考え方を強く持ってしまうと、結局は自分自身を苦しめることになると感じます。みんな自分のしたいことをもっとしていいんだよ、と伝えたいです」
「賛同してくれる方がいたことで、こうやって少しずつ社会の意識を変えていけるのかなと思いました。これからも、おかしいなと思ったことは声を上げていきたいです」