オバマ・アメリカ前大統領は10月21日、「トランプ大統領は、彼が新型コロナウイルスのパンデミックを深刻に捉えようとしないという多くの証拠を、アメリカ国民に示してきた」として、トランプ大統領の新型コロナ対応を痛烈に批判した。
この発言は、ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれた民主党大統領候補のバイデン陣営の集会の中で出たものだ。なお、集会は支持者が車に乗ったまま集まる「ドライブ・イン」形式で行われた。
「トランプが、突然みんなを守ってくれるなんてことはない」
オバマ氏は、トランプ大統領が新型コロナに感染し、3泊の入院が必要だったことに言及し、「ドナルド・トランプが、突然我々みんなを守ってくれるなんてことはありません。彼は、彼自身を守る基礎的なこともできていないのだから」と指摘した。
トランプ大統領は、新型コロナに関する懸念を「デマ」と呼び、新型コロナは消えると主張し、予防措置の必要性を却下し、確証のない治療法を推し進めるなどしてきた。その間に、22万人以上のアメリカ人が新型コロナによって亡くなっている。
オバマ氏はスピーチの中で、オバマ政権がトランプ新政権のために行ったパンデミックに関するシミュレーションについて言及し、こう皮肉った。
「私たちは文字通り、パンデミックに関する手引きをホワイトハウスに残してきました」
「彼らは手引きを使ったんじゃないかな。ぐらついたテーブルを支えるためにでも」
自身の副大統領であったバイデン氏については、「彼は、科学者たちを『バカ』と呼ぶようなことはしない。彼はホワイトハウスで、感染を拡大させるイベントを開催するようなことはしない」と、トランプ大統領の行動を引き合いにしながら持ち上げた。
トランプ大統領と周囲の人たちの感染の発生は、ホワイトハウスで開催されたエイミー・コニー・バレット氏のアメリカ最高裁判事への指名を祝う集まりに関連していると指摘されている。
トランプ氏「バイデンは『アメリカンドリームを殺す』」
オバマ氏が登壇したバイデン陣営の集会の前日、トランプ大統領もペンシルベニア州エリーを訪れていた。トランプ氏は、感染者数が増えているにも関わらず、州に対して経済的な開放を促した。
自身の選挙集会でトランプ氏は、「これは選択だ。『ウイルスを殺す』という私たちの計画を選ぶか、『アメリカンドリームを殺す』というバイデンの計画を選ぶか」と話した。
「バイデンは治療を遅らせ、ワクチンを延期し、パンデミックを長引かせ、学校を閉鎖し、私たちの国を閉鎖します。ちなみに、ペンシルベニアはもう十分長い間、閉鎖されています。知事にペンシルベニアを開放してもらいましょう」
一方、オバマ氏はこう指摘している。
「トランプ大統領は、(私から)受け継いだ安定した経済情勢の成果は欲しがる一方で、彼が無視したパンデミックについての責任は取ろうとしない」
「しかし、そうはいかないだろう。ツイートをしていたって問題は解決しない。作り話をしていたって、人々の生活はよくならないのだから」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。