“エコな生理“と聞くと何を思い浮かべますか?
「生理にエコってなんだろう」と疑問に思う人もいれば「意識の高い人だけが気にすること」と考える人、「興味があるけど、どんなものかよくわからないな」と感じる人もいるでしょう。
最近ではご存知の方も多いかもしれませんが、普段、多くの人が使っている生理用品、ナプキンやタンポンにはプラスチックが使用されていて、分解に500年かかるとも言われているのです。
そこで最近エコな生理用品としても注目されているのが、月経カップと月経パンツです。
こうしたエコな生理用品を使用することで、プラスチックゴミを減らして環境問題に少しでも貢献することができます。それだけではなく、エコな生理の利点は”意識の高い人”が気にするようなゴミを減らすことだけじゃない。人生で40年近く付き合っていく生理を味方につけるための一つの手段になりえるかもしれない。実際、使ってみて、私はそう感じました。
もし、これを読んでいる人の中に、「生理はこういうものだからしょうがない」と無理やり納得している人がいるなら、満足しないで快適を求めてほしいです。
生理の形は人それぞれだからこそ、他の人と違うアイテムにチャレンジして自分の快適な生理を探しても良いのではないでしょうか。
【これまでの生理】
まずは私の生理事情からお話ししたいと思います。
これまでずっと、生理用のナプキンについては、一日に何回も頻繁に変えなければならない点や、つけている時の違和感、毎回の横漏れが嫌いで、自分には合っていないと思っていました。うまく使いこなせなかったので、シーツやパンツに血がついてしまうのはもちろん、外出先で血がズボンにまで染みてしまったことや、自転車から降りたらサドルが血だらけになっていたことも。
それからタンポンを使い始めると、頻繁に変える必要がなく、横漏れの心配もないのでナプキンよりも少しは楽になったように感じました。でも、タンポンだけで不安な日には嫌いなナプキンもつけていたので、下半身の違和感やムレから解放されることはありませんでした。ナプキンをつけたくなくても、他には方法がないと思っていたので、生理はこういうものだから我慢するしかないと考えてきました。
けれど、それでも何か改善する方法がないかといろいろ調べてみて、月経カップを使ってみることにしました。
お値段は¥4,100くらい。決して安くはないけれど、繰り返し使える上にナプキンの違和感から解放されるなら、それだけの価値はあると思いました。
【月経カップ日記 1日目】
まずは、使用感。入れるときは、「こんなに大きいのは絶対に入らないだろう」と思ったけれど、とりあえず入れてみることに。なんとか入ったけれど、少し違和感があって痛かった。
入れてしばらくすると、正しい挿入場所にカップが入って痛みはなくなり、違和感もなくなりました。初日だったので、漏れが不安で一応ナプキンもつけていたけれど、漏れることなくうまく使うことができました。
そんな中、一番大変だったのは最後に取り出す時。
解説書などを読んで、取り出し方をわかっていても、実際にやるのとは全く違います。少し痛みを感じましたが、他の人に頼ることができるものではないので、10分ほど格闘してやっと取り出すことができた時はこれから月経カップを使い続けることができるのかすごく不安でした。
それでもなんとか取り出したカップの中には血がしっかり溜まっていて、自分の身体からこんなにたくさん血が出ていることになぜか感動を覚えた初日でした。
【月経カップ日記 2日目】
漏れが不安で、昨日はつけたナプキンをつけずに、一日過ごしてみました。
結果は大成功! 全く不便を感じることなく一日を終えることができました。
初日はすごく大変だったのにも関わらず、2日目にもなると、挿入も取り出す時も2〜3分で簡単にできたので、慣れればどんどん楽になっていくことが分かって安心しました。
とはいえ決して無痛ではありません。しかし、恐怖心がなくなってきて、うまく使いこなせそうだなと感じました。
【月経カップ日記3日目】
前日に引き続き、何事もなくうまく使えました。
取り出す時の痛みもなく、上手に取り出せば痛くないことがわかりました。
3回目にしてこんなに慣れると思ってなかったのでとても幸せ!
初めに少し触れたように、ナプキンにはプラスチックが多く使用されています。ナプキンやタンポンを使い続けたら知らぬ間に驚くほどたくさんのゴミを出して地球を汚してしまうかもしれない。とはいえ、私は決して無理をしてまでエコな生理を実践するべきとは思いません。デリケートなことだからこそ、自分の1番心地よい方法を探してみて欲しいです。もしそれがエコな生理だったならとても良いなと私は思います。
今回月経カップを使ってみた中で1番の良いところは、12時間入れ続けていても何も入れていない感覚で過ごすことができるところ。タンポンが8時間しか入れておけないのと比較すると、とても便利です。さらに、運動をしてもどんな姿勢でも漏れないだけじゃなく一度購入すれば、長い間使えるので環境にもお財布にも優しく、災害時に生理用品の心配をする必要が軽減されるのではないでしょうか。
手が汚れることや、取り出すたびに水や石鹸で洗うお手入れを面倒だと感じるかもしれないけれど、個人的には使うたび慣れてきたので、恐らく月経カップを使うことが不安な方、迷っている方の多くも徐々に慣れていくと思います。
種類や形も本当に色々なものがあるからぜひ気軽に手にとってみて欲しいです。
【月経パンツ日記】
ここまで月経カップの素晴らしさについて語ってきたけれど、やっぱり不安で手が出せない人もいると思います。
そんな人には、もう一つエコな生理を実現するにあたって欠かせないアイテムとして「月経パンツ」をおすすめしたいです。
月経パンツは一言で簡単に言うと洗えるナプキン。初めてその存在を知ったときは私も一体どんな仕組みなのか、どのくらい吸収力があるのか疑問だらけでした。だからこそ使ってみようと思い買うことに。
私が購入したのはthinxというブランドのもの。
下着は、どのくらいの吸収力があるか、血を吸う部分の大きさ、下着の形、素材というようなポイントから自分に合うものを選べばいいと思います。
私が選んだthinxの月経パンツの値段は一枚4,000円ほどで、下着にしては高くて買うのを躊躇してしまうお値段だけれど、使ってみて、今はその価値は大いにあると感じています。一枚だと枚数が足りなくなるので私は4枚買いましたが、3枚あればうまく洗いながらローテーションできると思います。
月経パンツ1枚の使用限度は2年ほど。柔軟剤と漂白剤を使わなければ、普通に洗濯機で他の洗濯ものと一緒に洗えるそうです。
私は、一緒に洗うのがちょっと不安で、ずっと手洗いしているのだけれど、水で濡らすと吸収されていた経血が流れ出てきて簡単に洗えるので、お風呂に入ったついでに手洗いすれば、そこまで大きな負担にはならないと思います。
使ってみた結論としては、月経パンツのおかげでナプキンもタンポンも1個も使わず、ゴミを出さない生理を達成できました。自分の理想だったサスティナブルな生理を手に入れられてとても幸せ。
使い心地としては、多い日用(タンポン4本分/36ml)タイプの月経パンツを履いてみると厚めの布に包まれているような感覚。普通の日用 (タンポン1.5本分/14ml)になるとさらさらした触り心地で、かなり薄くなります。
月経パンツはただ履くだけなので、タンポンや月経カップが怖くて使えない人にも、かなり手の出しやすいアイテムだと思います。
実際に生理が終わりそうな時には、月経カップだとカップがかなり入れづらいので、このパンツだけで過ごしたりしてみたけれど、漏れることもなくしっかり経血を吸収してくれて、快適でした。
生理のときに、ゴミを出さないのはただ地球に優しいだけではなくて、夏場に生理用品のゴミの匂いが気にならなくなったり、かさばるナプキンを大量に買って持ち帰ってくる負担もなく、本当にメリットが数え切れないほどあります。
今回チャレンジして初めて、自分の身体の仕組みを知ったり、気づきがあったりと良かったことしかありませんでした。少しでも気になっている人は怖がらずに是非挑戦してみてください。
(編集:榊原すずみ)