白人の警察官によって、黒人男性の命がまた奪われたとされる事件。
アメリカ・テキサス州で、黒人男性が白人警察官に撃たれて死亡した。現地メディアによると、男性は男女間の家庭内暴力(DV)の仲裁に入っていたとみられる。射殺した警察官は10月5日、殺人罪で起訴された。
ニューヨーク・タイムズなどによると、事件があったのは10月3日午後8時ごろ。テキサス州ウルフシティー警察署に所属する警察官ショーン・ルーカス被告は、男女間トラブルの通報を受けて出動した。ルーカス被告が現場にいたジョナサン・プライスさん(31)を拘束しようとしたところ、プライスさんは抵抗し、その場を去ろうとした。
ルーカス被告はプライスさんに対しスタンガンを使用した後、銃を発砲。プライスさんは搬送先の病院で死亡した。
CNNとBBCによると、プライスさん側の弁護士は記者会見を開催。弁護士によると、プライスさんはガソリンスタンドで女性が男性から襲われているのを止めようと仲裁に入った。警察官が到着する時点で、すでにトラブルは解決していたという。会見に出席したプライスさんの父は「息子を愛していた。正しいことをするように育ててきました」と話していた。
AP通信によると、テキサス州の警察当局は声明を発表。「(プライスさんが)脅威的ではない姿勢で抵抗し、立ち去ろうとした」とし、「調査の結果、ルーカス氏の行動が客観的に見て合理的ではなかった」との見解を示している。
プライスさんの弁護側は、ルーカス被告のボディカメラの映像を公開するよう求めている。
プライスさんの幼なじみで、元メジャーリーガーのウィル・ミドルブックスさんは、プライスさんの家族のため、ネット上で寄付を募る活動を開始。サイトに「ジョナサンはコミュニティーのリーダーで、メンターだった」などと記している。集まった寄付金でプライスさんの基金を創設し、葬儀費や家族の支援などに充てるという。
5日夜には、プライスさんの追悼集会が開かれ多くの人が詰めかけた。