簡単につくれて、ちょっとした“旅気分”も味わえる料理レシピを紹介する【旅するレシピ】。
教えてくれるのは、ワインバーのオーナーの傍ら、シンプルで素材を生かした調理法と、世界の家庭料理のエッセンスを取り入れたメニューが人気の料理教室を主催する祐子さん。
今回は、ブラジル大使館主催のイベントで出会い、その美味しさに衝撃を受けたという煮込み料理「フェイジョアーダ」です。
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フェイジョアーダとの出会いは、10年ちょっと前の代々木公園です。
ブラジル大使館のイベントの屋台で食べたのが初体験。
スープの色は黒いし、豆は溶けてドロドロしているし…なかなかに興味深い見た目で戸惑いました。でもせっかくだしね、と食べてみると、これがとても美味しい! 結局2皿も食べてしまいました。
そのとき食べたフェイジョアーダには、たしかキャッサバというイモの粉と小松菜を炒めたものが添えられていたような気がします。
その後、旅先の沖縄でフェイジョアーダに再会しました。
現地に住む友人が連れて行ってくれた、とある市場の中にある小さなお店。そこにはブラジル料理やブラジルのお酒が揃っていて、メニューにはフェイジョアーダもありました。
早速注文すると、そのとき一緒に添えられて出てきたのがビナグレッチソースでした。
お店のお姉さんに「たっぷりかけてね、好きなだけ食べていいよ」とスプーンの刺さった大きな瓶を渡され、いやいやこんなに食べないよねと思っていましたが、それは大間違い。
ダイス状にカットされた野菜のカラフルなソースは、酸っぱくてとても美味しい。
そして、それをフェイジョアーダにかけて食べると、豆と塩のみの優しい素朴な味から一気にパンチのきいた味に! うわぁ、こんな味になるんだ〜!! と、驚きました。これはたしかに沢山かけたくなります。
そうなるとフェイジョアーダを作らずにはいられなくなり、自分なりに簡単なレシピに仕上げたのがコチラです。
今回は日本で出会った外国料理の一皿ですが、ぜひ作ってみてください。材料を鍋で煮込むだけなのでとても簡単ですよ。
小豆で作る「フェイジョアーダ」と「ビナグレッチソース」
<用意するものと、あると便利な道具>
⚫️材料:フェイジョアーダ(4皿分)
・カレー用にカットされた豚肉 200gくらい(脂身が少なめのものを選んでください)
・ベーコン 2枚
・玉ねぎ 中サイズ1個と半分
・鷹の爪 2本(︎辛いのが苦手な場合は減らす)
・小豆 150g
・お水 500mlくらい
・ローリエ 2枚(︎香りが強すぎるものはNG)
・お肉の味付け(ラム酒 大さじ1、ニンニクチューブ 2cmくらい、塩 小さじ1弱)
⚫︎ビナグレッチソース
・玉ねぎ 中サイズ1/2個
・ピーマン 1個
・トマト 1個
・パクチー 1束くらい
・塩 小さじ 1弱
・お酢 大さじ 5
⚫︎あると便利な道具
・直径20cmくらいの蓋付きの厚手の鍋
・木べら
・ボウルとザル
・計量カップ、大さじ小さじ、スケール
<つくり方>
1.まずはフェイジョアーダのお肉の下ごしらえから。
カットされた豚肉をボウルに入れて、ラム酒とニンニクと塩を入れてよく揉みます。
2.玉ねぎを繊維に沿ってザクザクとくし切り、ベーコンは5mm幅くらいに切り、鷹の爪は半分にちぎって中から種を出しておき、小豆は軽く洗ってザルにあげておきます。
3.鍋にベーコンを入れます(油は不要です)。そこから火を着けて、チリチリ音がするくらいの弱火で炒めます。ベーコンから脂と水分が出てきたら先ほど漬けておいた豚肉を加え、表面に焼き色をつけます。
4.豚肉の表面が焼けたら、玉ねぎ、小豆、鷹の爪をいれて軽く炒めて、お水とローリエを入れます。蓋をして弱火で1時間ほど煮込みましょう。途中お水が足りなければ様子を見て少し足してください。
5. 1時間後、小豆が柔らかくなっていれば出来上がりです。
6.次にビナグレッチソースです。
玉ねぎ、ピーマン、トマト、パクチーを細かく刻み、カットした野菜をボウルに入れ、お酢と塩を混ぜたら出来上がり。
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フェイジョアーダは白いごはんにかけて食べます。しばし豆と豚の煮込みを味わったら、次はビナグレッチソースをかけて食べてみてください。違った味わいになり、2度楽しめます。
ビナグレッチソースはフェイジョアーダだけではなく、サラダのドレッシングにしたり、焼いたお肉にかけたり、タコスのソースにするなど、色んなものに合いますよ。
最後にひとつ、このお料理は冷めると餡のように固まることがあります。でもその状態は決して失敗ではありません。もし余ったり多めに作ったときなどは保存容器にいれて冷蔵庫で冷やし、食べるときに小鍋に移して温めなおして食べてくださいね(少しお水を足してもいいです)。
(文:さんさん 祐子/編集:毛谷村真木)