アメリカの「TIME」誌は9月23日(日本時間)、毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」を発表し、テニスの大坂なおみ選手とジャーナリストの伊藤詩織さんが選ばれた。
大坂選手が選ばれるのは、2019年に続いて2年連続。推薦文はアメリカの女子バスケットボールのスーパースター、マヤ・ムーア選手が執筆した。
試合ごとに人種差別や警察による暴力の犠牲者の名前が書かれた黒いマスクをつけ、BLMへの連帯を示した全米オープンでの優勝について「卓越したアスリートとしてのパフォーマンスをもって、こんなにも美しく物語を揺り動かしたことに感銘を受けた」とつづった。
大坂選手は、全米オープン前のウエスタン・アンド・サザン・オープンでは、黒人男性が背後から警察官に撃たれた事件に対する抗議として、試合の棄権を表明。大会の主催者側が「人種の不平等と社会的な不公正への抗議」を示すため、8月27日の全試合の延期を決定したことを受け、延期後の試合に出場した。
大坂選手の行動に対しては「スポーツに政治を持ち込んでいる」という批判もあがったが、大坂選手は優勝後、「Black Lives Matterは決して政治ではない」として「(批判が)かえって勝利へと奮い立たせてくれた」と強い意志を改めて表明した。
朝日新聞デジタルによると、2019年の「影響力のある100人」に選ばれた際には、テニス4大大会を18回制した女子テニスのかつての名選手、クリス・エバート氏が「今後何年もチャンピオンとして君臨するかもしれない」などと選評を執筆。「この誠実で礼儀正しく、控えめなテニスの虫以上に、よりグローバル化、多文化化された将来を象徴する人はいない」とした。
マヤ・ムーア選手は、大坂選手を次のように評価した。
「信じてください。彼女のように集中し、勇気を持ち、自分自身の行動を信じて成し遂げることは簡単ではありません。彼女は才能や努力、その声やプラットフォームを通じて、黒色や茶色の肌を持つ人の命の尊さを称えました」