菅義偉氏が新内閣総理大臣に就任した翌日、早速会食をした三浦博史(みうら・ひろし)氏は、「選挙のプロ」として知られる。 日本初の「選挙プランナー」とされ、数々の知事選や国政選挙に携わり、候補者たちを政界へと送り出してきた。どんな人物なのか?
■日本初の「選挙プランナー」とされる
朝日新聞デジタルの「首相動静」によると、菅義偉首相は9月17日午前7時半前、東京都内のホテルのレストランで、「選挙プランナーの三浦博史氏と食事」とあった。内閣総理大臣に就任した日の翌朝のことだ。
三浦氏が代表取締役社長を務める「アスク株式会社」(東京)の公式サイトによると、三浦氏は銀行勤務を経て、1979年〜1988年に国会議員の公設秘書を務めた。アメリカ国務省の個人招聘プログラムでアメリカの政治や選挙事情の視察で渡米。帰国後の1989年、日本初の選挙総合プランナー会社「アスク株式会社」を設立。選挙コンサルティングや調査、選挙活動のグッズ製作といった事業を展開している。
■石原・元東京都知事らの選挙も
選挙プランナーとは何か?
木村拓哉さん主演のフジテレビのドラマ「CHANGE」(2008年)で、主人公の選挙戦略を練る立役者である「選挙プランナー」を阿部寛さんが演じたことで、その存在を知った人も多いだろう。選挙プランナーは、様々な調査を行ったり戦略・戦術を練ったりして、選挙戦を勝利に導くため候補者に助言する。
三浦氏の選挙プランナーとしての実績は相当数に上る。
主な知事選では、鈴木直道(北海道)、石原慎太郎(東京都)、舛添要一(東京都)、森田健作(千葉県)、黒岩祐治(神奈川県)、湯崎英彦(広島県)、仲井真弘多(沖縄県)などの選挙戦に携わった。
■「手堅い閣僚で...」とコメント
菅義偉氏率いる新内閣が発足した9月16日。三浦氏はアスクのサイトで「安倍内閣の継承・発展」への期待を以下のように記した。
「菅内閣には、菅先生らしい、国民に寄り添った政治を期待しています。加藤官房長官等、手堅い閣僚で、安倍内閣を継承、発展させるものと期待しています。一方野党も新?立憲民主党、国民民主党が発足しましたが、名前も党の代表も各々変わらない、というのは、構成人数以外に何が新しいのかよくわかりません」
さらに、7月9日には「秋に総選挙があると各党の議席はどうなるのか?」と題した記事で、三浦氏は次のように予測している。
「直近のコロナ渦中の各種選挙結果や東京都知事選、同時に行われた都議補選、さらには直近の各社マスコミの世論調査結果等を概観すると、まず自民党は議席減は免れません」
「問題は減った自民党票をどこが持っていくかですが、おそらくその大半は維新に流れると思います。(中略)しかし同時に自民から離反した票が、いわゆる野党に流れず、維新に行けば、保守が革新を上回るという傾向は変わらないとも言えます」
■「総選挙も近い?」の声
数々の選挙戦に関わった実績を生かし、「AKB48総選挙に学ぶ心をつかむ技術」(フォレスト出版刊)、「洗脳選挙」(光文社ペーパーバックス刊)など多数の著作も残している三浦氏。
首相に就任直後、菅氏が「選挙のプロ」と会食の場を設けたことに、ネットでは「解散総選挙も近いのでは」などの推測が飛び交っている。