ピーチ・アビエーション機で、乗客が大声で騒いだなどとして飛行機が目的地とは違う空港で臨時着陸し、乗客が飛行機を降ろされたことが話題となった。
騒動のきっかけは、乗客がマスク着用を拒否したことだった。
もともとマスク大国の日本では、コロナ禍で着用が“常識”となっているが、飛行機内の着用のルールはどうなっているのか。JALやANAにルールや運用をきいてみた。
JALの場合
日本航空(JAL)は、公式サイト上でマスクの着用を呼びかけている。機内でのお願いとして「必ずマスクを着用してください」(幼児または着用が困難な理由のあるお客さまを除く)と掲載。
さらに「マスクを着用されないお客さま、ならびに発熱など体調がすぐれないお客さまのご搭乗をお断りする場合がございます」と注意書きしている。
JALに機内のマスク着用ルールについて聞いた。
広報担当者は「状況にもよりますが、常識的な範囲内で基本的には着用をお願いしています。機内食も提供していますので、食事の際に外すなどは問題ありません」と語る。
着用していない人に対して声掛けはするが、相手が拒否した場合、それ以上の対応はできないという。
「マスク着用は義務ではなく、あくまでもお願いです。マスクを拒否しただけでは、搭乗をお断りするという対応はできません」と説明する。
JALの規約では、乗客が感染症又は感染症の疑いがある場合、搭乗拒否や飛行機から降ろすことができると定めている。
そのため、「マスクをしていなくて、発熱や体調が悪い方は、搭乗をお断りする場合があります。感染を防ぐため、『必ず着用してください』という強い言葉でお願いさせていただいています」と話している。
ANAの場合
一方で、全日空(ANA)はどうか。
公式サイトで搭乗客へのお願いとして「空港および航空機内においては、お客様同士のご不安解消のため、マスク等を必ずご着用ください」(小さな子どもや、着用が難しい理由がある客は除く)と記載している。
こちらも、広報担当者は「義務ではなくあくまでもお願いです」と説明する。
食事などの場合を除いて、着用していない人に対して声掛けしたり、持っていない場合はマスクを提供したりしている。
その上で「着用の呼びかけは、他のお客様の不安解消も含めてのことです。特別な事情がない限り、ご理解いただくようお願いしています」と求めている。
それでも応じてもらえない場合は、それ以上の対応は難しいという。
ただし、ANAの約款では「他の旅客に不快感を与え、又は迷惑を及ぼすおそれのある」「会社係員の業務の遂行を妨げ、又はその指示に従わない」といった場合、旅客の搭乗を拒絶したり、寄航地空港で降機させたりすることができると定めている。
広報担当者は「こうした状況に該当する判断した場合、搭乗をお断りする可能性もあります」と話している。