先進・新興国に住む子どもの幸福度を調査したユニセフ(国連児童基金)の最新報告書が、話題になっている。日本の子どもは、肥満の割合など「身体的な健康」では1位だったが、自殺率などから算出した「精神的な幸福」ではワースト2位だった。
どんな結果だったのか
ユニセフが9月3日に公表した最新報告書では、「精神的幸福」、「身体的健康」、学問や社会的な「スキル」の3つの分類で幸福度を算出。
結果、日本の子どもの幸福度は38カ国中、20位だった。
ランキング上位、下位の国は以下の通りだ。
1位 オランダ
2位 デンマーク
3位 ノルウェー
4位 スイス
5位 フィンランド
〜
20位 日本
〜
34位 マルタ
35位 ニュージーランド
36位 アメリカ合衆国
37位 ブルガリア
38位 チリ
日本の子供は「健康」、でも「精神的な幸福度」は低い
日本の順位で特徴的なのは、子どもの肥満や過体重の割合、死亡率から算出する「身体的健康」では1位だったにも関わらず、15歳〜19歳の自殺率や生活の満足度からランク付けした「精神的幸福度」は最低レベルの37位だった、という点だ。
「スキル」では、日本のランクは27位。読解力と数学の基礎的学力では上位に入ったが、「新しい友達を作る」などの社会的なスキルの調査ではワースト2位だった。
若者の自殺問題 浮き彫りに
日本の若年層の自殺率の高さは、深刻な問題となっている。
厚生労働省の「自殺対策白書」(2019年度)によると、10~39歳の各年代の死因の第1位は自殺だ。
15〜34歳の若い世代で死因の1位が自殺となっているのは、先進国では日本のみ。死亡率は他の国に比べても高い。
人口10万人当たりの自殺者数を示す「自殺死亡率」は、全年代では減少傾向にあるが、10歳代の自殺死亡率はほぼ横ばいで推移している。
10歳代の自殺における原因や動機では、「学校問題」が最も多い。また、家庭問題の比率は近年微増の傾向にあるという。
厚労省は、「特に19歳以下においては、男女とも、他の年代に比べ、飛び降りや飛び込みといった、突発的に行われ得る手段による自殺が多くなっている」とも指摘した。
悩みを抱えている人のためには、以下のような相談窓口があります。