立憲・石垣のりこ氏が謝罪 安倍首相を「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」と表現し批判殺到

「持病がある人を揶揄している」などの指摘が寄せられた。
参院予算委員会で質問する立憲民主党の石垣のりこ氏
参院予算委員会で質問する立憲民主党の石垣のりこ氏
時事通信社

立憲民主党の石垣のりこ参院議員が投稿したツイートに、批判が相次いでいる。8月28日に辞任を表明した安倍晋三首相について「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」と表現し、「持病がある人を揶揄している」などの指摘が寄せられた。石垣議員は同日夜、「配慮が足りなかった」とお詫びした。

どんなツイートだったのか

問題のツイートは、安倍首相の会見直前に投稿された。

石垣議員は、「健康を理由とした辞職は当然の権利。回復をお祈り致します」と首相の体調を気遣った上で、「が、『大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物』を総理総裁に担ぎ続けてきた自民党の『選任責任』は厳しく問われるべきです」と投稿した。

総理といえども「働く人」。健康を理由とした辞職は当然の権利。回復をお祈り致します。
が、「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」を総理総裁に担ぎ続けてきた自民党の「選任責任」は厳しく問われるべきです。その責任を問い政治空白を生じさせないためにも早期の国会開会を求めます

— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020

「体を壊す癖がある」とつづったこのツイートには、「難病は『癖』ではない」「病気と闘っている人を揶揄する表現」などの指摘が相次いだ。

石垣氏は続けて、「第一次政権も体調不良でお辞めになり、この八年の間もなんども健康不良説が流れたわけです。なのに『安倍しかいない』と押しつけてきたわけです」と説明し、自民党を「これほどブラックな職場もない」と弁明した。

第一次政権も体調不良でお辞めになり、この八年の間もなんども健康不良説が流れたわけです。なのに「安倍しかいない」と押しつけてきたわけです。
もし自民党が会社ならば、これほどブラックな職場もないでしょう。 https://t.co/paXwbUiIqU

— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020

しかし、問題視された発言に向き合っていないとして批判は止まず、発言の撤回を求めるコメントが寄せられた。

再度弁明、枝野幸男代表が謝罪

午後10時すぎ、石垣氏はTwitterを再度更新。複数のメディアからコメント依頼がきているとして、投稿への見解を説明した。

石垣氏は、「いかなる身体的特性、疾病があろうとも、「就労の自由」は基本的人権で絶対的に擁護されるべきもの」とした上で、「しかし、与党自民党および政府は、『持病で職を辞す』という経歴をおもちの安倍晋三氏がその職責を十全に果たせるような措置をとりませんでした」と批判。

「職場のノーマリゼーションという観点からは、選任側の責任として、『同じ理由で辞めることのないように環境を整備する』ことが必要だったはず」とした。

 「体を壊す癖がある」などの発言については撤回、謝罪はしなかった。

ほぼ同時のタイミングで、立憲民主党の枝野幸男代表がTwitterを更新。「申し訳ありません」と石垣氏のツイートについて謝罪し、「執行部として不適切であるとの認識を伝え然るべき対応を求めました」とつづった。

申し訳ありません。執行部として不適切であるとの認識を伝え然るべき対応を求めました。 https://t.co/RQcFjDajXp

— 枝野幸男 りっけん 立憲民主党 (@edanoyukio0531) August 28, 2020

「配慮が足りなかった」 謝罪

その数時間後、石垣氏は再度Twitterに投稿。福山哲郎幹事長から不適切な発言だと指摘を受けたとし、「この箇所の表現に、疾病やそのリスクを抱え仕事をする人々に対する配慮が足りなかったと反省しお詫びします」と謝罪した。

石垣氏は、「多様性を認めつつ互いに支え合い、すべての人に居場所がある『共に生きる社会』をつくります」とする立憲民主党の綱領を引用。

「私も党の一員として、『身体的特性や疾病で、本人の就労意思が阻害されない、強くたおやかな社会』『全ての差別を克服する社会』を構築するため、今後も引き続き職務に邁進して参ります」と決意をつづった。

先ほど福山幹事長より「”大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物”という表現は、不可抗力である疾病に対して使う言葉として不適切である」とご指摘を頂きました。確かにこの箇所の表現に、疾病やそのリスクを抱え仕事をする人々に対する配慮が足りなかったと反省しお詫びします。

— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020

立憲民主党は綱領で「私たちは、一人ひとりがかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、すべての人に居場所がある『共に生きる社会』をつくります」と掲げています。

— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020

この綱領のもと、私も党の一員として、「身体的特性や疾病で、本人の就労意思が阻害されない、強くたおやかな社会」「全ての差別を克服する社会」を構築するため、今後も引き続き職務に邁進して参ります。

— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020

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