8月28日、安倍晋三首相が辞任の意向を表明した。午後5時から記者会見が開かれる予定で、自身の言葉で辞任理由などが語られるとみられる。
安倍首相が辞任した後は、誰がどのような形で政権の指揮をとるのか。
内閣法には内閣総理大臣の「臨時代理」の制度が定められているが、代理を置かないとの情報を既に複数のメディアが報じている。
過去には臨時代理も
日本国憲法下で「臨時代理」を置く対応が取られたのは、2000年4月に脳梗塞で倒れた小渕恵三首相の臨時代理となった青木幹雄氏の例がある。
ただ、共同通信の報道によると、この度安倍首相は「臨時代理」を置かず、後任の首相が選ばれるまで執務に当たり、責任を果たす意向を周囲に伝えているという。
内閣法第9条には、内閣総理大臣が欠けた時の臨時対応について、以下のように定められている。
内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う
首相官邸の公式サイトには、「この規定(内閣法第9条)による指定を受けた国務大臣が、内閣総理大臣が海外出張や病気等により職務遂行ができない場合の職務代行者となる」と記されている。
さらに「内閣総理大臣の職務代行者として予め指定を受けた国務大臣は、一般に、『内閣総理大臣臨時代理』と呼ばれているが、特に、内閣の発足時などに指定された者は、俗称として『副総理』と呼ばれている」とある。
現在の安倍内閣における「副総理」は、財務大臣も兼任している麻生太郎氏である。
首相官邸の大臣紹介ページでは、麻生太郎氏について「内閣法第九条の第一順位指定大臣」と記されている。
ちなみに麻生氏は過去、2008年9月に第92代内閣総理大臣に就任。翌2009年9月まで務めたが、第45回衆議院議員選挙での敗北を受け、責任を取る形で大臣の職と自民党総裁を辞任している。