ディズニー映画『ムーラン』が、公式動画配信サービス『Disney+』で9月4日から独占配信されることが、8月24日に公式サイトで発表された。劇場での公開は取りやめた。
この“異例”とも言えるディズニー側の対応に、映画ファンなどからは様々な声が寄せられている。24日午前9時の時点で、Twitterで「ムーラン」が日本のトレンド入りし話題となっている。
映画『ムーラン』は1998年に公開されたアニメーションを実写化した作品。主人公の女性のムーランが愛する父の身代わりとなり、男性と偽って兵士として国の運命をかけた戦いに立ち向かう姿を描く。
同作は新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受け、アメリカでの劇場公開が再延期となり、日本での公開時期も未定となっていた。
ディズニーが劇場公開を諦め、配信での“封切り”に舵を切ったことに映画ファンは何を思ったのか。
Twitterでは「お蔵入りじゃなくてよかった」「たとえ配信でも観られるのは嬉しい」といった喜びの声や「ディズニーでも新作の配信が増えていけばいいと思う」など様々な声が聞かれたが、一方で料金体系には不満の声が多い。
「サービスに未加入の状態からだと観るのに4000円。高い」「そもそもサービスに加入しないと見れないシステムはどうかと思う」「配信というより、購入なのでは」「ブルーレイの値段と変わらない」などコスト面への指摘が相次いだ。
同映画をウェブで視聴するにはまず、月額700円(税抜)のディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」に登録し、その上で「プレミアアクセス」として別途2,980円(税抜)を追加で支払うことが必要になる。
一度ダウンロードすれば何度も繰り返し観ることができるのは配信サービスの利点だ。もしファンが作品を2回以上楽しむとすれば、価格も妥当と言えるかもしれない。
しかし、「作品を一度楽しむ」という行為に限って考えた場合、劇場で一般的なチケットで鑑賞する場合の大人料金が2000円前後であることを踏まえると、料金はやや割高なようにも感じられる。
そのため、配信となったことで価格を理由に鑑賞を諦める人も出てきそうだ。
例えば、同じ配信作でも、7月の劇場公開と同時にAmazonプライムビデオで配信された映画『劇場』は、Amazonプライム会員であれば追加料金なしで視聴できる。
コロナ禍で大きな打撃を受けた映画産業。映画館の営業は再開されたが、ウイルスへの感染を恐れる人からは、配信を望む声も多く聞かれている。
一方で、配信視聴への切り替えは料金面で視聴者のハードルは高く、話題作ムーランの成功可否が、新型コロナ時代の映画産業の行方を左右しそうだ。
(※本記事のタイトルの約4000円については、動画配信サービスの月額料金700円+「プレミアムアクセス」の2,980円の合計金額3,680円に消費税10%を加算して4,048円となるため、約4000円としています)