将棋の王位戦・七番勝負第4局は8月20日、藤井総太棋聖が木村一基王位に勝利。18歳1カ月といずれも史上最年少でタイトル二冠を獲得し八段に昇段した。
その躍進を“予言していた”と今話題の本がある。白鳥士郎さん著、しらびさんがイラストを描いたライトノベル『りゅうおうのおしごと! 』だ。
『りゅうおうのおしごと! 』は2015年9月に刊行され、2018年にはテレビアニメとしても放送された。
主人公は16歳で将棋界の最高タイトルの1つ「竜王」を獲得した九頭竜八一。八一が、弟子である小学生の雛鶴あいといった棋士たちと共に成長し、将棋の道を極めていく物語だ。現在、13巻まで刊行されている。
著者の白鳥士郎さんは 8月19日、シリーズの累計発行部数が200万部を突破したことをTwitterで報告。藤井棋聖の快進撃でテレビなどメディアの取材が多くなったことを明かしている。
なぜ、それほどまでに注目されているのか。
それは、物語の展開と藤井棋聖の躍進に重なる部分があるからに他ならない。Twitterなどネット上では、「予言書になった」「フィクションが現実になりつつある」などという声が多く寄せられているのだ。
小説の物語では、主人公の八一が16歳で「竜王」のタイトルを獲得したという設定だが、“現実”の世界では、藤井棋聖が最年少の17歳11カ月で初のタイトルを獲得。物語の八一と藤井棋聖のタイトル獲得時の年齢が近しいことで話題になった。
藤井棋聖がタイトルを獲得した7月16日、白鳥さんはTwitterで「フィクションを超える現実の始まり」と棋聖の誕生を讃えていた。
最新13巻では、主人公の八一が2つ目のタイトル獲得に向けて挑戦をしているが、現実の世界では8月20日、藤井棋聖が二冠となった。
フィクションの筋書きまでをも超えていこうとする藤井棋聖の快進撃は、今後もさらに続いていくのだろうか。