フォートナイトがパロディ動画で皮肉ったアップルの伝説のCM「1984」とは?

フォートナイトがApp Storeから削除されたことに対し、Epicが抗議のパロディー動画を公開。その基になった1984年のAppleのCMはどんな内容?
ジョージ・オーウェルの小説「1984」
ジョージ・オーウェルの小説「1984」
Portland Press Herald via Getty Images

バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」がApp Storeから削除されたことを受け、開発元のEpic Gamesが抗議の”パロディー動画”を公開。その基になったAppleの「伝説」とも言われる1984年のCMは、どんな内容だったのか?

Epic GamesはApp Storeの独占に異議を唱えました。報復として、Appleは10億のデバイスでFortniteをブロックしています。https://t.co/VwLAHlzLap へアクセスし、2020年を「1984」にしないための闘いに参加してください。 pic.twitter.com/LSKyXiXQVA

— フォートナイト (@FortniteJP) August 13, 2020

■市場の独占を批判

Appleは1984年に、革新的なパソコン「マッキントッシュ」(初代Mac)を発売する。それに合わせて、アメフトの大会「スーバーボウル」のテレビ放送で、AppleのCMが流された。灰色の服を着た大勢の聴衆が、巨大スクリーンに映し出された「ビッグ・ブラザー」の演説を無表情で聞いている。そこに、マッキントッシュのイラストが描かれたユニフォーム姿の女性が登場。聴衆の間を走り抜け、スクリーンに向かってハンマーを投げつけ、破壊する。

CMのラストで、次のようなナレーションと字幕が流れる。

「1月24日、アップルコンピューターはマッキントッシュを発表する。そしてあなたは、1984年が小説『1984』のようにはならないことを知るのです」

■基になったのはSF小説

この「1984」と呼ばれるAppleのCMの内容は、イギリスの作家、ジョージ・オーウェルが1949年に発表したSF小説「1984」が基になっている。独裁者「ビッグ・ブラザー」が支配する全体主義国家のオセアニアが舞台で、政府は「テレスクリーン」と呼ばれる装置で、市民の行動を常に監視している。

AppleはCMで、当時アメリカのIBM社がコンピューター業界を独占していることを批判し、スクリーンの中の独裁者をIBMに、革命をもたらす女性をAppleの象徴として描いた。

今回Epicが制作したパロディー動画では、スクリーンの中のビッグ・ブラザーがAppleに、スクリーンを破壊する女性のキャラクターがフォートナイトの象徴として、Appleを風刺する形で描かれている。

 Appleの初代Mac
Appleの初代Mac
ASSOCIATED PRESS
小説「1984」の作者ジョージ・オーウェル氏
小説「1984」の作者ジョージ・オーウェル氏
ASSOCIATED PRESS

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