Appleは、Epic Gamesのバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」を、ガイドライン違反を理由にアップルストアから削除した。Epic社はAppleに対して法的措置を講ずるとして、公式サイトで訴状を公開。さらにAppleの1984年の有名なCMのパロディ動画もアップし、SNSユーザーに「#FreeFortnite」を拡散することで「アップルストアとの戦いに参加しましょう」と呼びかける事態になり、話題を集めている。
■何が問題になっているのか?
発端は、Epic側が、アップルストアを介さない独自の課金システムを導入し、アップルストアより安い割引価格で運用を開始したことだ。Appleは、アプリの配信やアプリ内課金に自社のシステムを使うことを求めており、手数料を30%に設定している。手数料の高さが開発者の間で問題となっていた。
Epic社は、アップルストアからの削除措置を受け、8月13日、Appleのスマートフォンのアプリ内課金システムが独占にあたるとして同社を提訴。公式サイトなどで訴状を公表した。「Appleの不公平で独占的な行動を終わらせるための訴訟」とし、公正な競争が認められるよう差し止めによる救済を求めている。
■パロディ動画が話題に
提訴に合わせ、Epic側が公式サイトなどに公開したApple社に対する”反撃の動画”が話題を呼んでいる。
動画は、アメリカ・IBMのビジネス用コンピュータが業界を独占していたことを批判したAppleの1984年のCMが基になっている。初代Macの発売時にテレビで放映された。大勢の聴衆が、巨大画面に映し出された支配者の演説を聞く中、一人の女性アスリートがハンマーを投げてモニターを破壊する映像だ。ジョージ・オーウェルの小説「1984」を題材にした内容となっている。
Epic社は動画で、「2020年が『1984』になることを止める戦いに加わってほしい」と呼びかけている。同社は、SNSで #FreeFortnite の声を上げてアップルストアとの戦いに参加するよう求め、プレーヤーを巻き込んだバトルに発展している。
■アップルは「協力して解決」と声明
現地メディアによると、アップルは声明を発表し、「Epicは、Appleで承認されていない機能をアプリで有効にしました。これは、デジタル商品やサービスを販売するすべての開発者に適用されるアプリ内の支払いに関するアップルストアのガイドラインに違反することを明らかに意図したものです」と指摘。「Epicと協力して違反を解決し、フォートナイトをアップルストアに戻せるよう、あらゆる努力を尽くします」などと説明している。