東京都医師会が7月30日、記者会見を開き、尾崎治夫会長が新型コロナウイルス感染症に関する対策について「(新型インフルエンザ等対策)特別措置法を改正し、法的拘束力と休業補償のある休業要請をするべき」「今が感染拡大を抑える最後のチャンス」と訴えた。
法的拘束力、休業補償のある休業要請を
尾崎会長は冒頭、感染者を病院やホテル、自宅で隔離するという現在進められている方法については「かなり効果があると思っている」と評価。一方で、感染者が多く報告されている接客を伴う飲食店に関する対策は「うまく行っていない」とした。
都は4月から休業要請を行っているものの、東京都の感染拡大防止協力金50万円では「家賃にもならないと要請に応じてもらえない」と指摘。愛知県や大阪府、福岡県でも接客を伴う飲食店での感染例が相次いでいるとし、「休業をお願いするだけでは日本全体が感染の火だるまに陥っていく」と危機感を示した。
その上で、「特別措置法を改正し、法的拘束力のある休業要請を行い、休業補償をつける。全国のエピセンター(感染拡大の震源地)化した地域で同時に進める」ことを提案。
休業期間は14日程度設け、その間に地域一帯でPCR検査を行い、感染者を把握すべきだとも訴えた。その際、保健所中心の検査だけでなく、研究所や大学などの設備も使うべきだとした。
「コロナウイルスに夏休みはありません」
尾崎会長は「今が感染拡大を抑えるための最後のチャンス」とし、国に対し「コロナウイルスに夏休みはありません」と、こうした対策の早期の実現を訴えた。
「一刻も早く国会を開いて、国ができること、しなければならないことを国民に示してください。これは我々がいくら頑張ってもできません。これは政治の役割であります。国がどう感染症に立ち向かうか。そういう日本としての姿勢をぜひはっきりさせて、国民・都民を安心させてください」